検索クエリーがより深くパーソナルに変わりつつある

Googleがマーケティング関連コラムを定期的に配信しているThink with Googleで興味深い記事が公開されていました。20214年1月に公開された「「〇〇 わかりやすく」「〇〇 なぜ」の検索増に見える、アイデンティティの深化」という記事です。

https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/marketing-strategies/search/2023-search-trend-1/
ここ数年弊社でも観察されてきた、検索ユーザーの変化を分かりやすく言語化してくれていた記事なのでご紹介したいと思います。と言っても、私が観察してきた経験、知見と合わさっての考察ですので、すべての意見がThink with Googleのこの記事と合致しているわけではありませんし、さまざまな方向に観点がジャンプするであろうことは先にお断りしておきます。

Think with Googleでの考察

まず、「「〇〇 わかりやすく」「〇〇 なぜ」の検索増に見える、アイデンティティの深化」記事を概観します。この記事では、2023年の日本における検索トレンドとして、「自分のアイデンティティを深めようとする人々」の増加が指摘されています。

具体的には、「〇〇 わかりやすく」「〇〇 なぜ」といった、トレンドに左右されない掛け合わせクエリの検索増加が挙げられています。これらのクエリは、過去5年間で増加傾向にあり、人々が自分の疑問や探究心を満たす情報を探し出そうとする姿勢を反映しているとのことです。

また、このトレンドは自分らしさの深化を象徴していると指摘されています。例えば「育休 なぜ」「控除 簡単に」といった検索クエリを通じて、自分の意見を多面的に形成し、税金の仕組みなどを理解しようとする意識が見られる、と考察されています。

世の中の一般的な動向を知るために主に使われてきた検索プラットフォームが「自分自身を見つめ、身の丈に合った情報を探求する場」としての役割を果たしていることを示唆しています。

たいへん興味深い考察ではないでしょうか。より詳細に、よりパーソナル(に近い)な情報をすくい取ってカスタマイズする動きは弊社で感じてきた傾向と一致します。過去のデータや予測だけでは不十分で、検索ユーザーの裸の検索意図を早期に発見することがますます重要になっています。

音声検索の影響

音声検索の利用は、スマートフォンとスマートスピーカーの普及に伴い、急速に増加しています。音声検索は、手がふさがっている時や移動中など、従来のキーボード入力が難しい状況でも情報を簡単にアクセスできるため、多くの方が使っているのではないでしょうか?私も外ではスマホ、家ではAmazon Echoを使って気軽に音声検索を使っています。

音声検索は、デジタルマーケティングにおいて重要なトレンドです。アメリカでは1億1,800万台以上のスマートスピーカーが使用されていると報告されています。日本国内でもスマートスピーカーの普及率は、2022年時点で16.1%と推計されています。加えて、2022年1月の調査ではスマートフォンの所有率は96.3%です。

2020年には、全スマートフォンユーザーの50%以上が音声検索を使用しています。また、2021年には、アメリカの消費者の58%がスマートフォンで音声検索を使用したという調査結果もあります。

雑に概算するなら、全消費者の半分近くは音声検索を使っていると考えても問題ないでしょう。

2010年代後半から急速に発展している音声検索が、多くの人の検索アクションを変化させているのではないかと弊社では考えています。

音声検索の普及で変わった検索クエリー傾向

このメルマガのメイン読者に合わせて、日本語での検索傾向に限定して話を続けますね。音声検索と従来のテキストベースの語句検索の違いは何でしょうか?いくつかの顕著な違いがあります。以下に、主な違いをいくつか挙げます。

会話口調と単語
質問形式と単語
検索クエリの長さ
文脈と意図の明確さ

音声検索がもたらしているこの変化は、これからのSEO戦略を考えていくうえで必ず必要になる視点です。

簡単に言うと、より長く詳細な内容を自然な会話的な言語でシステムに尋ねることに慣れてきたユーザーは、語句検索においても同じスタイルで検索しているのではないかと推測できます。

それが、初めに触れたThink with Googleで考察されていた検索トレンドの変化と結びついているように感じています。つまり「「〇〇 わかりやすく」「〇〇 なぜ」といった、トレンドに左右されない掛け合わせクエリによって、自分の意見を多面的に形成し、世の中の仕組みを理解しようとする人々の増加」のことではないかと考察しています。

日本の検索ユーザーが欧米化してきた証拠?

少し話が飛ぶかもしれませんが、音声検索の普及によって、以前から指摘されてきた日本と海外(特に英語圏)の検索アクションの違いが急激になくなっているように感じています。

日本と英語圏(特にアメリカ、イギリス、オーストラリアなど)における検索クエリの傾向には、以下のようないくつかの明確な違いが存在します。これらの違いは、グローバルな視点でビジネスを行う企業にとって重要なポイントとなります。

検索クエリの長さ
キーワードの構造

いかがでしょうか?日本語独自の検索クエリー傾向が、音声検索によって英語圏での検索傾向に近づいていると思いませんか?

検索クエリーの変化にどのように対応すべきか?

多くの人が日常会話のように検索エンジンと対話するようになったいま、サイト運営側には何が求められているでしょうか?

この傾向は、検索エンジンが単純なキーワードマッチングを超え、検索ユーザーの意図やコンテキストを理解しようとする方向へと進化していることを示しています。サイト運営者にとって、これは自社のウェブサイトやコンテンツを、単にキーワードを羅列するのではなく、ユーザーの自然な質問に応答できるように最適化する必要があることを意味します。

詳細でパーソナルなニーズへの対応

詳細でパーソナルなニーズへの対応も重要なトレンドとなっています。現代の消費者は、一般的な情報だけでなく、自分の状況やニーズに合わせた具体的でパーソナライズされた回答を求めています。

例えば「2024年の税制改正の影響は?」といった専門的な質問や、「子連れで楽しめる静岡県内の観光地は?」といった地域性や状況に応じた情報を求める検索に顕著に表れています。

私たちは、このようなユーザーのニーズに応えるために、より詳細なターゲット設定とセグメンテーションを行う必要があります。これには、ユーザーの検索意図を深く理解し、ユーザーの質問に対する直接的かつ具体的な答えを提供するコンテンツの作成が欠かせません。

個々の検索クエリーの検索ボリュームに囚われるのではなく、検索クエリーの背後にある検索意図の強さと緊急性を立体的に把握する能力が欠かせません。そして、個々ユーザーの興味やニーズに合わせたコンテンツを提供することが、より重要になってくるでしょう。

まとめ

冒頭で述べた、Think with Googleの記事から自由に飛躍しすぎましたが、これからのサイト運営は、自然言語検索の増加と、より詳細でパーソナルなニーズへの対応という検索の新トレンドを把握し、これらの変化に適応していかなければなりません。SEO分析ダッシュボードの数字だけでなく、その向こうにいるユーザー中心のコンテンツ戦略を採用し、ユーザーの検索体験の向上に注力することが、成功への鍵となります。

弊社スリードットは、純粋な「SEO業者」ではありませんが、SEOを含めた総合格闘技としてWebマーケティングの支援をさせていただいております。最新のWebマーケティング情報収集、SEOの外注化、または内製化における伴走型サポートに興味ある方は弊社にお気軽にご相談ください。

問題続きのGoogleインデックス

1月の中頃に海外のSEO関連掲示板で、Google検索順位の不可解な動きが話題となりました。
https://www.searchenginejournal.com/google-weekend-ranking-bug/505812/
要約すると、特定のドメインの全ページが週末だけGoogle検索結果から完全に消え、月曜日に復活するというGoogleのアルゴリズムのバグに関するものです。この問題は、2023年11月頃から発生していると報告されています。

上記のように順位の浮き沈みを示す画像も添付されているので、現象自体の信憑性は高いと思われます。

ここで間違えたくないのは、アクセス数が減るのではなく、インデックス自体がなくなっているという点です。BtoBサイトでは、土日祝日にアクセス数が極端に低下する状況はよく見られる現象です。弊社でサイト集客を承っている企業サイトでもよく観察されます。

しかし、検索順位自体が週末だけ低下する、またはインデックス自体が外されるということです。弊社のなかでも聞いたことあるスタッフはいませんでした。

Googleのインデックスについては昨年初めごろから弊社でも「新規公開記事がGoogleにインデックスされない」「一度インデックスされた記事が消えた」といった相談を時々受けていました。

以前であれば、サイトマップさえ送っておけば意識せずともインデックスされて順位がついていたのに、最近はインデックスがされない、または大変遅いことがあるようです。記事公開するたびにインデックス依頼を送っている、と知り合いのSEO支援会社社長もおっしゃっていました。

今回は多くの方にとっては今さらの話題になるかもしれませんが、Googleのインデックスについて説明します。

上記の現象がどのように決着したかは、本メールの最後で説明します。

インデックスされるためのGoogleの基準

Googleで検索結果に表示されるために登録される、つまりインデックスされるためには、いくつかの基本的な要件があります。具体的には、以下の要素が重要です。

● クロール可能なウェブサイト構造

Googleのクローラーがサイトのページを効率的に巡回し、コンテンツを簡単に把握できるシンプルな構造が必要です。適切な内部リンク構造や、クロールを妨げる技術的な問題があれば解消しなければなりません。

● 明確かつ関連性の高いコンテンツ

ユーザーの役に立ち、独自で関連性の高いコンテンツでなければなりません。Googleは、検索ユーザーの問いに最適な答えを提供するページを重視します。

● 適切なキーワードの使用

ユーザーが検索する可能性のあるキーワードを適切に使用し、コンテンツのトピックを明確にすることが重要です。
上記の基準を満たすことで、Googleによるインデックスの可能性が高まります。

インデックスされない主な原因

逆にサイトがGoogleにインデックスされない主な原因はいくつかあります。

● robot.txtの設定ミス

各サイトのルートディレクトリに設置しているrobot.txtというファイルによってGoogleのクローラーがサイトの特定の部分にアクセスしないように設定されている場合があります。このファイルをチェックして、Googleがクロール(ウェブページを読み取ること)できるようにしてください。

● サイトマップの不足または誤り

サイトマップは、サイトの構造をGoogleに教えるものです。Googleサーチコンソールでサイトマップを登録し、エラーがないか確認しましょう。

● ページ品質の問題

コンテンツが薄い、または重複しているとインデックスされない可能性が高くなります。オリジナルで価値ある情報を提供するようにしましょう。

● 技術的な問題

サイトの表示が遅い、モバイルでうまく表示されないなどの問題は悪影響を与えます。これらの問題を解決するためには、ウェブサイトの技術的な側面をチェックしましょう。
これらの問題を理解し、適切に対処することで、サイトはGoogleによってインデックスされやすくなります。

インデックス状況確認方法

「私のサイト、本当にGoogleに認識されているの?」と思ったら、次の方法で確認しましょう。

1.Googleサーチコンソールの利用

無料ツールであるGoogleサーチコンソールを使って、サイトがインデックスされているか確認できます。まだ登録していない場合は、ぜひ登録しましょう。

2.「site:あなたのウェブサイト」で検索

Google検索画面で「site:あなたのウェブサイト」(弊社サイトの例:site:three-dots.co.jp)と検索して、サイトが表示されるか確認してみましょう。表示されない場合は、インデックスされていない可能性があります。

3.サイトマップを再送信

問題が見つかったら、修正した後にサイトマップをGoogle Search Consoleに再送信しましょう。これにより、Googleはサイトを再評価し、インデックスする可能性が高まります。
上記のステップを実行することで、Googleにウェブサイトが適切に認識され、検索結果に表示されるようになることが多いです。

インデックスで問題を抱えないSEO施策とは?

Googleがあなたのウェブサイトを見つけやすくするために適切なSEOは欠かせません。ここで大切なのが、Googleのウェブマスターガイドラインを守ること。このガイドラインは、Googleがウェブサイトをどのように評価するかの基準を示しています。ウェブマスターガイドラインに従うことで、Googleからの信頼を得られ、インデックスされやすくなります。
ウェブマスターガイドラインに従ったSEOでは、以下のような点が重要です。

コンテンツの質を向上させる

ユーザーにとって有用で、読み応えのあるオリジナルコンテンツを作成しましょう。例えば、よくある質問に答える記事や、業界のトレンドに関する深い分析は有効です。

適切なキーワードの使用

ターゲットとするキーワードを選び、それらを自然に文章に組み込みます。キーワードはタイトルや見出し、本文中にも散りばめることが重要です。

ユーザー体験の向上

サイトのデザインやナビゲーションを見直し、訪問者が欲しい情報を簡単に見つけられるようにしましょう。例えば、メニューを明確にし、コンテンツへのアクセスを直感的にすることが効果的です。

ページの読み込み速度を向上させる

サイトが早く読み込まれることは、ユーザー体験に直結します。遅いサイトは訪問者を失う原因になります。画像のサイズを最適化したり、不必要なプラグインを削除することで、ページの読み込み速度を上げましょう。

モバイルフレンドリーにする

モバイルフレンドリー:多くのユーザーがスマートフォンでウェブを閲覧しています。モバイルで快適に閲覧できるサイトを目指しましょう。
スマートフォンでの閲覧を快適にするために、多くのサイトではレスポンシブデザインを採用します。レスポンシブデザインとは、画面サイズに合わせてコンテンツが自動的に調整されるデザインです。

信頼できるバックリンクを獲得する

他の信頼できるサイトからのリンクは、Googleにあなたのサイトが価値あると認識させる手助けをします。他の信頼できるサイトやブログからのリンクを得るためにも、質の高いコンテンツを作成し、他のウェブサイトとの関係を築きましょう。

サイト構造を整理する

サイトが整理されていて、ユーザーが求めている情報を簡単に見つけられることが大切です。サイトマップを作成し、サイトの全ページが論理的かつ直感的にナビゲートできるように構造化します。
もちろん、SEO対策は一朝一夕に成果が出るものではありません。Googleから、信頼のおけるサイトとみなされるためには、上記施策をコツコツと継続する必要があります。

まとめ

冒頭で述べた、週末だけインデックスが外れる問題については、珍しく(?)Googlも迅速に問題を認識し、「一部のウェブサイトの検索結果に一時的な変動を引き起こした非常に限定的な問題」であるというコメントを1/22にリリースしています。この問題は既に解決されており、影響を受けたサイトはもはやその影響を受けることはないと述べられています。

肝心の原因についてはかなり歯切れの悪い説明ですが、ウェブサイトの品質によるものではなく、特定の技術的な問題に起因するものと考えられています。

弊社スリードットは、純粋な「SEO業者」ではありませんが、スタッフのなかに「Googleの公式ガイドライン」オタクが揃っています。お客様からインデックスに関するトラブルについて質問をいただくことも少なくありません。

適切なSEO戦略を採用することが、長期的なインデックス安定には重要です。最新のWebマーケティング情報収集、SEOの外注化、または内製化における伴走型サポートに興味ある方は弊社にお気軽にご相談ください。

ドメイン貸し・寄生サイトがなくならない理由


12/8に著名な有名SEOコンサルタント リリー・レイ氏がX(旧Twitter)で発信したポストが注目を集めました。簡単に要約すると、「最良のVPN」(best VPN)というビッグクエリ(しかもコンバージョンに近い高価値クエリ)でハーバード大学のサブドメインのページが1位に表示されているという報告でした。

上記画像にあるようにscholar.harvard.eduというハーバード大学のサブドメインを使っていることが分かります。決して「偽ドメイン」の類ではなく、ドメイン自体はれっきとしたハーバード大学の内部ページです。

しかし、中身はいわゆるアフィリエイト記事です。当然、ハーバード大学がVPNサービスを公式に徹底調査してアフィリエイト記事を作成したとは思えません。ハーバード大学とは関係のない誰かが、ハーバード大学のサブドメインを使って記事を作ったようです。内部学生が作ったブログサイトのドメインが流用された可能性が指摘されています。

そして、Googleはハーバード大学のドメインパワーを評価して、この記事をビッグクエリで1位に置いたと思われます。(もちろん、実はスーパー高品質な中身が評価されたのかもしれませんが、その可能性は低いです)この問題については、リプライでGoogle公式アカウントも乱入(?)して、以下のように言い訳(?)をしました。

Googleは、このケースがいわゆる「寄生サイト」である可能性が高いことを認めています。しかし、基本的にはドメインを貸した側(ハーバード大学)が問題に対処することを望んでいます。

ここで出てくる「ドメイン貸し」、または「寄生サイト」とは何でしょうか?今回のメールでは、初心者向けに「ドメイン貸し」と「寄生サイト」の定義、生まれた背景、リスクについて説明します。

ドメイン貸し・寄生ドメインとは?

ドメイン貸しは、既存のウェブサイトのドメインを第三者に貸し出す行為です。SEO価値の高いドメインを他者に貸し出すことで、そのドメインパワーを利用する戦略です。サブドメインやディレクトリを提供して、新しいサイトの信頼性を高め、検索エンジン結果でのランキング向上に寄与することを狙います。

例えば、古くから存在して評価の高い教育関連のウェブサイトが、他の新しい教育サービスサイトにサブドメインやディレクトリを提供するケースがこれにあたります。ほとんどのケースでは、自分のドメインのサブドメインやディレクトリを第三者に有償で貸し出し、アフィリエイトサイトなどを作っています。

ドメイン貸しと寄生ドメインの違い

ドメイン貸しは合意の下で行われるのに対し、寄生ドメインは無断で行われることが違いです。ドメイン貸しは両者間の合意に基づきます。寄生ドメインは他者のウェブサイトを不正に利用する行為となります。上述のハーバード大学の例は、どうやら寄生ドメインになる可能性が高いようです。

ドメイン貸しに対するGoogle公式見解

上記のリリー・レイ氏のポストの流れのGoogle公式コメントに噛みついたのが一連のポストを見ていた他のSEO関係者。慌てて(かどうかわかりませんが)Google公式はドメイン貸しについて以下のように表明しました。

これまでも、これからも悪質なドメイン貸しについては厳正に対応する(してきた)とのことです。

Googleは人工的なリンク構築を推奨していません。実は、ドメイン貸しが「人工的なリンク構築」にあたるのかどうかは微妙なところです。今のところは、サブドメインやディレクトリはGoogleガイドラインに違反する「可能性がある」というのが大方の見方です。寄生ドメインは、他のウェブサイトの権威を不正に利用する行為と見なされ、Googleのポリシーに反する可能性が高いです。

少し前のポストになりますが、2019年のGoogle公式アカウントは、いわゆる寄生ドメインについて質問された答えのポストでも以下のように答えています。

メインサイトとドメイン貸しされたサイトは明確に区別して評価することを表明しています。しかし、2023年現在でもそれを確実に実行する施策、手法が明確に確立されたとは思えません。だからこそ、今回のハーバード大学のようなケースが起きたと思われますが、少なくともGoogleはドメイン貸しに対して快く思っていないことは確かです。

2023年アルゴリズムアップデートでの対応

2023年のGoogleのアルゴリズムアップデートにおいては、特に品質と信頼性に重点を置く動きが見られます。特に、GoogleのE-E-A-T(Expertise, Experience, Authoritativeness, Trustworthiness)基準やHelpful Content Updateなどの最近のアップデートは、ウェブサイトの内容の質に重点を置いています。

これは、寄生ドメインやドメイン貸しによって作成されたコンテンツがGoogleの検索結果において厳しく評価されるであろうことを意味します。

Googleは、ユーザーにとって有益かつ信頼できるコンテンツを重視しており、寄生ドメインやドメイン貸しに依存するSEO戦略は、長期的には効果が低いでしょう。

ドメイン貸しや寄生ドメインを利用するよりも、オリジナルで価値のあるコンテンツを提供し、ユーザーのニーズに応えるSEO戦略を取ることが、Googleのアルゴリズム更新に対応する上でより効果的でしょう。

ドメインを貸す側のリスク

Googleのガイドラインに明確に反するとされた場合は、寄生サイトだけでなく、メインのドメインごとランキング低下やインデックスからの除外を招く恐れがあります。

また、ウェブサイトの品質と信頼性を低下させ、ブランドイメージに損害を与える可能性があります。特に、ウェブサイトが関連性のない内容や低品質のコンテンツで溢れることになると、ユーザーの信頼を失いかねません。

加えて、ドメインを貸し出すことにより、寄生サイトが引き起こした著作権侵害やその他の法的問題に巻き込まれるリスクがあります。例えば、著作権で保護されたコンテンツが無断で使用されることがあれば、法的責任を問われる可能性があります。

ドメインを借りる側のリスク

Googleによって寄生サイトと明確に判定されれば、ペナルティを受けるリスクがあります。これにより、ウェブサイトの検索エンジンランキングが著しく低下する可能性があります。Googleは、高品質で信頼できるコンテンツを重視しており、これらの基準に合致しないウェブサイトは長期的に不利な影響を受ける可能性が高いでしょう。

まとめ

弊社スリードットは、純粋な「SEO業者」ではありませんが、スタッフのなかに「Googleの公式ガイドライン」オタクが揃っています。お客様からドメイン貸し(または借りること)について質問をいただくことも少なくありません。

ドメイン貸しは、短期的な利益をもたらす可能性がありますが、Googleのガイドラインに違反するリスクが高く、長期的にはウェブサイトの信頼性やランキングに悪影響を与える可能性が高いです。

ドメイン貸す側と借りる側が一体となって密接に連携して、内容の濃いサイトを展開していく戦略なら、ドメインを共有して運用することは一概に非とは言えません。しかし、持続可能で倫理的なSEO戦略を採用することが、長期的な成功には重要です。Googleのガイドラインに違反するリスクにびくびくしながらサイト運用するよりは、高品質で信頼できるコンテンツを自社ドメインで展開していく方がリスクは低いでしょう。

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年末年始期間中の営業日のお知らせ

2023年12月21日(木)~2024年1月10日(水)まで年末年始期間のため休業とさせていただきます。
新年の営業は11日(木)からとさせていただきます。皆様、来年もどうぞよろしくお願いいたします。

GoogleとSEO業者の微妙な(?)関係


弊社のようにコンテンツマーケティングを支援する会社にとって、現在一般のユーザーが使用する検索プラットフォームとして一強といえるGoogleの動向チェックは欠かせません。

弊社は純粋な「SEO専門業者」とは言えませんが、SEOに取り組む会社としてGoogleのプラットフォームと検索ユーザーの両方の意向を理解し、それらを満たすことは難しいバランスの取り組みです。

Googleの意向を簡単に言うと、「高品質で関連性の高いコンテンツを検索ユーザーに提供すること」です。ですから、Googleの意向と検索ユーザーの要求は、本来矛盾しないはずなのです。しかし、時にはこのバランスを取ることが難しくなることがあります。

主な原因は、Googleのアルゴリズムが常に進化し、より良いユーザー体験を目指しているからです。一方で、検索ユーザーのニーズも多様化し、瞬時に変化するため、常に大なり小なりずれが生じるのは避けられません。

これらの要因が相まって、SEO業者にとってGoogleのアルゴリズムとユーザーのニーズの間で効果的な戦略を練ることは、複雑で挑戦的な作業となるのです。

この微妙で複雑なバランスのなかで、一部のSEO業者はユーザーのニーズを置いてけぼりにしてGoogleの顔色だけを伺う、またはGoogleのシステムバグを突こうとしてブラックハットSEOに手を出しています。

あまりにもそのようなブラックSEO業者が多いため、一部では「SEO業者=悪」またはよくて「=必要悪」とみなされることも少なくありません。インハウスSEOはともかく、SEOは外注してまで行う施策ではないと考えておられる方もまだまだおられるようです。

では、Google自身はSEO業者についてどのように考えているのでしょうか?実は、Googleの基本的なスタンスについて解説するGoogle 検索セントラル(旧称 Google ウェブマスター)で、GoogleがSEO業者について明確に言及しているページがありますので詳しく説明します。

SEO業界の迷信の裏にある真実


まず、SEOに関するよくある誤解についてGoogle自身が訂正し、そしてSEOの効果について丁寧に説明してくれています。

誤解:SEOは即効性がある

SEOはしばしば即効性があると誤解されがちですが、実際にはその効果が顕著になるまでに通常4か月から1年かかることが多いとGoogle自身が述べています。Googleがそう述べていることは、意外と知られていない事実です。

誤解:SEO=キーワードの詰め込みである

多くの人々はSEOを単にキーワードの詰め込みと考えがちですが、実際にはサイトのコンテンツや構造、ユーザー体験などを含む幅広い要素が関係しています。

誤解:一度のSEO対策で永遠に効果が持続する

一度のSEO対策で永遠に効果が持続するわけではありません。SEOは、市場の動向や検索エンジンのアルゴリズムの変化に対応するために継続的な更新が必要なプロセスです。SEOは単なるトレンドや短期的な戦略ではなく、長期的なビジネス成長とオンラインプレゼンスの強化に不可欠な要素として理解されるべきです。

SEOの効果は多岐にわたります。適切なキーワード選択とコンテンツ最適化により、検索エンジンのランキングが向上し、それに伴いウェブサイトの可視性とトラフィックが増加します。これにより、より多くの潜在顧客がサイトを訪れる機会が増えます。

また、上位にランクされたウェブサイトはユーザーからの信頼を得やすく、これがブランド認知度の向上につながります。さらに、持続的なSEO戦略は、一時的な広告キャンペーンと比較して長期的なリターンをもたらす可能性が高いです。

GoogleはSEO業者をどう思っている?

SEO、すなわち「検索エンジン最適化」は、ウェブサイトの可視性を高めるための重要なプロセスです。GoogleはSEOの重要性を公言しており、SEO業者が以下のような多岐にわたる便利なサービスを提供することを認めています。

● ウェブサイトのコンテンツや構成の見直し
● ウェブサイトの開発に関する技術的なアドバイス
● コンテンツの開発
● オンラインビジネス促進キャンペーンの管理

ただし、「小規模なローカル ビジネスの経営者は、おそらく、作業の多くを自分で行うことができます。」とも述べています。同時に、「プロフェッショナルのサポートが必要だとお考えの場合は」、SEO業者によるサービスを「早い段階で導入すること」も勧めています。「早い段階」というのはかなり突っ込んだ言及かと思います。

Google自身が定義する最適なタイミングとして「サイトを再構築するときや新しいサイトを開設するとき」とまで具体的に言及しています。これは、SEOの現場で日々お客様のサイトを支援させていただいていても感じることです。お客様としては、今まで自力でやってきたことの延長線上で施策展開していきたいとお考えになるのはごく当然なことです。

しかし、プロである私たちから見ると、「0から再構築する方が絶対に早く効果が出るし、コストも低くて済むはず」と思ってしまうケースが少なくありません。

Googleが勧めるSEO業者の条件


Googleの公式ガイドラインでは、SEO業者との関係においては慎重な選択が求められることを指摘しています。SEOの利用はサイトの改善や時間の節約につながる可能性がある一方で、不適切な手法を採用する業者によってサイトや運営者の信用が損なわれるリスクも指摘されています。

信頼できるSEO業者の特徴は、そのサービスがGoogleのガイドラインに準拠していることです。また、Googleは、SEO業者を選ぶ際には以下を確認することを推奨しています。

● 過去の作業のサンプルや成功事例を示せるか
● Google検索の基本事項に準拠しているか
● オンラインマーケティングサービスやアドバイスを提供しているか

効果的なSEO戦略を提供する業者を選ぶ際には、その業者が具体的な結果とその成果を測定する方法について明確な計画を持っているかを確認することが重要です。さらに、該当する国や地域での実績、外国語サイトの開発経験など、特定のニーズに対応できる能力も重要な要素です。このように、信頼できるSEO業者は、透明性、経験、適切な知識、そしてクライアントのニーズに応じたカスタマイズされた戦略を提供することで、成功へのパスポートとなります。

どんな業者は避けるべきか

逆に言うと、以下のような業者を避けるべきであることは明らかです。

● 不透明な手法と戦略: 具体的な戦略や手法を明確に説明できない
● 現実離れした約束: 即効性や非現実的な高ランキングを保証する
● ブラックハットSEOの使用: Googleのガイドラインに反するスパムや不正な手法を用いる
● 過剰な費用: サービスの内容に見合わない高額な料金を要求する

これらの特徴を持つ業者は、長期的な成功や持続可能なSEO戦略を提供する可能性が低いため避けるべきです。

まとめ

弊社スリードットは、純粋な「SEO業者」ではありませんが、スタッフのなかに「Googleの公式ガイドライン」オタクが揃っています。最近は、SEOに関する知識を豊富に持たれているお客様も多くおられます。お話を伺うなかで、お客様の方からグレー、または完全にブラックなSEO手法を行えるか逆に提案をいただく場面も少なくありません。

そこで、なぜブラックハットSEOをおすすめできないのか明快に説明できるSEO業者は意外に多くありません。弊社では、ブラック手法にかかるコストと、そのコストに見合うとは思えないリスクについて明快に説明させていただきます。それは、Googleが公式に示すガイドライン、さらに字面の裏にある本来の意図について深く考察して、社内で意思統一できているからです。

最新のWebマーケティング情報収集、SEOの外注化、または内製化における伴走型サポートに興味ある方は弊社にお気軽にご相談ください。

2023年10月Googleコアアルゴリズムアップデートの傾向と対策

SEO業者と話をする際に頻出する専門用語に「アルゴリズム」や「コアアップデート」があります。しかも、どちらも深刻なシチュエーション、例えば自社サイトのアクセス流入が急激に低下した際などに出てくる重要用語です。
ですから、「アルゴリズム」や「コアアップデート」の意義をしっかり把握しておくとSEO業者との打ち合わせがスムーズに進みますし、問題の大本を正確につかむことができるでしょう。

アルゴリズムとは?

アルゴリズムとは、問題を解決するための手順やルールのことです。SEO(検索エンジン最適化)の世界では、Googleがウェブページの検索結果をランク付けするための計算式や基準を指します。

コアアルゴリズムアップデートの目的

Googleはユーザーに最も関連性の高い情報を提供するために、定期的にコアアルゴリズムを更新します。これは、検索エンジンがより賢く、より効率的に動作するようにするためのものです。

なぜGoogleコアアルゴリズムアップデートが重要?

Googleのコアアルゴリズムアップデートは、SEO(検索エンジン最適化)において極めて重要な要素です。これはウェブサイトの可視性、ユーザーエクスペリエンス、そして最終的な収益に直接影響を与えるからです。

サイトのランキングへの影響

Googleのアルゴリズムは、ウェブサイトが検索エンジンの結果ページ(SERP)でどのように表示されるかを決定します。アルゴリズムが変更されると、その影響は即座にウェブサイトのランキングに現れ、これが低下するとトラフィックや売上にも悪影響を及ぼす可能性があります。

例えば、2011年から2012年にかけて行われた通称「パンダ」アップデートでは低品質なコンテンツにペナルティが課され、大きく順位を落としました。
続けて2012年に導入されたペンギンアップデートは、以下のようなサイトの順位を下げたり、検索結果から削除したりするために使用されました。

● SEOを過剰に駆使して検索結果の上位表示を狙うサイト
● スパム的な手法を用いるサイト
● 過剰なほど被リンクを貼るサイト
● リンク元とコンテンツの関連がないサイト
● ユーザーからは見えない隠しリンクがあるサイト

ペンギンアップデートは、主に自作自演的な「リンク操作」を行うWebサイトへの影響が大きく反映されたアップデートでした。

アルゴリズム変更によるSEO戦略の見直し

Googleのアルゴリズムは常に進化しています。そのため、過去に有効だったSEO戦略が現在では無効になる可能性があります。アルゴリズムの変更に合わせてSEO戦略を柔軟に調整することが必要です。例えば、ユーザーの検索意図をより絞り込んで理解し、それに応じたコンテンツが評価されます。

ここ最近のGoogleのアルゴリズム傾向

Googleのアルゴリズムは常に進化しており、その変更はSEO戦略に大きな影響を与えます。最近の主なアップデートには、製品レビュー、コアアップデート、リンクスパム対策などがあります。特に、2023年にはいくつかの重要なアップデートが行われました。

スパム対策の強化

最近のGoogleはスパム対策を強化しています。Googleは2022年12月にリンクスパムに対する新たなアップデートを行いました。このアップデートは「SpamBrain」と呼ばれるAIベースのスパム防止システムを活用しています。具体的には、このシステムは外部からの被リンクを購入しているサイトと、外部リンクを提供する目的で使用されているサイトを検出する能力があると言われています。

このアップデートは約2週間かけて展開されました。不自然なリンクによって得られた評価で上位にいたサイトの多くが圏外に飛ばされました。

Googleは、検索ランキングを人工的に操作する目的で取得されたリンクはスパムリンクと見なしています。そのため、このような不自然なリンクを大規模に無効にするためのアルゴリズムと手動のアクションを継続して改善しています。

2023年10月コアアップデートの傾向は?

https://x.com/googlesearchc/status/1709612835506888828?s=20
弊社の調査では、Googleが2023年10月に適用した最新のコアアルゴリズムアップデートは、検索品質の向上と低品質なスパムコンテンツの削減を主な目的としているようです。

スパム対策をさらに強化

今回のアップデートは、スパム対策をさらに強化しており、クローキング、ハッキングされたコンテンツ、自動生成されたコンテンツ、スクレイピングされたコンテンツなどに対する厳格な対策が取られています。

クローキング(Cloaking)は、検索エンジンのクローラーと実際のユーザーに対して異なるコンテンツや情報を提供するブラックな手法です。この手法は、検索エンジンのランキングを不正に操作する目的で使用されることが多く、Googleなどの主要な検索エンジンによってペナルティ対象とされています。

ハッキングされたコンテンツとは、第三者によって不正にサイト侵入され、変更や追加が行われたコンテンツを指します。これには、スパムリンクの挿入やマルウェアの埋め込みなどが含まれる場合があります。

ハッキングされたコンテンツは、ユーザーに対してセキュリティリスクをもたらす可能性があります。また、サイトの信頼性や権威性も大きく損なわれるため、検索エンジンの評価が低下する可能性があります。サイトのセキュリティ対策を強化することが必要です。

業界ごとに影響に大きな差がある

2023年10月のアップデートは、業界、つまりサイトのカテゴリーごとに異なる影響を与えているようです。特に金融、医療などの業界は、専門性や信頼性が高く評価される傾向があると多くの専門家が分析しています。弊社でも、この傾向は身をもって感じています。

今回のアップデートにより、それらの業界でのウェブサイトは、E-A-T(専門性、権威性、信頼性)の観点から0ベースで再評価された可能性が高いです。

ドメイン+属性の重要性

今回のコアアップデートでは、各サイトの「ドメイン+属性」という考え方が重要視されているという興味深い指摘もされています。
例えば、国内では以下株式会社LANY様の動画で指摘されていました。

https://youtu.be/qpN9AyCAUYc?feature=shared
これは、ウェブサイトのドメイン名、つまりドメインの権威性だけでなく、その背後にある企業や個人の信頼性、専門性などの属性も評価に加味されるということです。そのドメインが持つさまざまな属性(例:信頼性、専門性、ユーザーエクスペリエンスなど)を総合的に評価するものです。

従来、Googleのアルゴリズムはドメインの権威性を主に評価していました。しかし、この新しいアップデートでは、それに加えて「属性」も評価の対象となるでしょう。これにより、例えば高品質なコンテンツを提供しているが、まだ新しいドメインであるようなサイトも適切に評価される可能性が高まります。

「ドメイン+属性」による評価軸は、いわゆる「中古ドメイン」戦略、及び「サブディレ貸し」戦略への対策ではないかと思われます。「中古ドメイン」戦略、「サブディレ貸し」戦略については次の機会に説明する予定です。

具体的には、Googleは出版者の専門性、権威性、信頼性をこれからますます重視していくようになると思われます。これらの要素は、ユーザーがサイトをどれだけ信頼し、有用だと感じるかに直結しています。専門性、権威性、信頼性をしっかりとサイト上で示すことで、検索ランキングを向上させる可能性があります。

また、サイトの速度、モバイル対応、UI/UXなど、ユーザーエクスペリエンスを高める要素に投資すること、HTTPSなどのセキュリティ対策も、信頼性の一環として評価されるでしょう。「ドメイン+属性」の考え方は、サイト運営者にとって新たな評価軸となり、それに対応する多角的な戦略が求められるようになりました。

まとめ

Googleのコアアルゴリズムアップデートによってランキングが大きく低下した場合、まず、Google Search Consoleを活用してサイトの健全性を診断しましょう。ページのエラー、インデックスの問題、ユーザーエクスペリエンスに関する指標などをチェックします。必要な場合は改善を行います。

ただし、ランキング低下は一時的なものである可能性もあります。そのため、一概に対策を講じる前に、状況をしっかりと把握することが重要です。業界内のトレンドやGoogleからの公式発表をチェックし、その上で戦略を練ることが有用です。

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口コミサイトはすべてGoogleマップに駆逐される運命?

「自社の事業に関連するポータルサイトを作りたい」「ポータルサイトには口コミ機能を入れたほうがいい?」

新サイトを検討している起業家や経営者からたびたび相談を受けます。確かにサイト内の口コミ機能は、幅広い視点から作成される新規コンテンツ作成を継続的にローコストで行えること、訪問者のより深いエンゲージメントによるファン化を促すことで人気です。口コミサイトやポータルサイトにおける口コミ機能は、今や消費者行動において重要な役割を果たしています。

しかし、そこには落とし穴もあります。それは、ネット界の巨人Googleマップの存在です。先の起業家や経営者の方とお話していても「その口コミ機能は結局Googleマップの劣化版にしかならないのでは?」と指摘させていただくこともよくあります。

今回は、口コミサイト、またはポータルサイトに口コミ機能を実装する際のサイト開発の注意点について説明します。

ウェブサイトの口コミ機能とは?

口コミ機能は「消費者が自らの経験や評価を共有し、他の消費者の購買行動に影響を与えるオンラインプラットフォーム」と定義されます。

口コミサイト、またはサイト内の口コミ機能は、ユーザーが商品やサービスに対する評価、感想、体験をテキスト、画像、または動画で共有する場を提供します。これにより、消費者はより信頼性のある情報に基づいて購買決定を行います。

口コミ機能の特性はサイトに以下3つの特性をもたらします。

1. 透明性
2. 多角性
3. 即時性

口コミは、消費者による自然な評価が行われるため、ブランドイメージに大きな影響を与えます。また、良い評価が多い場合、それが新規顧客を引きつける要素となります。口コミ機能は、単なる評価システム以上の多面的な役割を果たしています。これを理解し、効果的に活用することで、ビジネスはさらなる成長と顧客満足度の向上を実現できるでしょう。

口コミ機能の追加によるサイトの強みとメリット

口コミ機能の追加は、単なるポータルサイトに情報を掲載する以上の価値を提供します。以上のような多角的な強みとメリットを通じて、ビジネスの競争力を高めることが可能です。

信頼性と認知度の向上

口コミ機能を追加することで、ユーザーからの実際の評価やフィードバックが集まり、サービスや商品の信頼性が向上します。口コミ機能により、新規ユーザーがサービスを利用する際の心理的な障壁が低くなり、認知度も高まります。

ユーザーエンゲージメントの強化

口コミ機能は、ユーザーが積極的にサイトに参加し、自らの意見や評価を共有する場を提供します。これにより、ユーザーエンゲージメントが高まり、リピート利用や長期的なロイヤルティが期待できます。

クオリティの可視化と改善

ユーザーからの口コミは、サービスや商品の品質を可視化する貴重なデータとなります。これを基に、サービス改善や新たな価値提案を行うことができ、結果としてビジネスの成長を促進します。

SEO効果

口コミは新しいコンテンツを定期的に生成するため、SEOにも寄与します。ユーザーが自然言語で評価や感想を書くことで、検索エンジンにより高く評価されやすくなります。

ユーザーインサイトの獲得

口コミからは、ユーザーが何を重視しているのか、どのような点で満足または不満足であるのかといったインサイトを得ることができます。これは、マーケティング戦略や商品開発において非常に有用な情報です。

ソーシャルプルーフの提供

人々は、他の人々が評価したり、推薦したりする商品やサービスに対して、自らも評価や推薦を行いやすいとされています。口コミ機能はこのソーシャルプルーフを形成し、新規ユーザーの獲得を助けます。

新しい口コミプラットフォームの開発において気をつけるべき点

口コミ機能を実装したサイトを開発するにあたり以下の注意点があります。

プライバシーと機密性の確保

プラットフォームの信頼性を確立するためには、ユーザーのプライバシーと機密性をしっかりと保護する必要があります。例えば、特定分野の医療医療サービスのようなデリケートな分野では、匿名での口コミ投稿が一般的です。このようなニーズに対応するためには、二段階認証や暗号化技術を用いたセキュリティ対策が不可欠です。

専門性への対応

高度な専門性を要するサービス、例えば士業サービスでは、一般的な「良い・悪い」の評価では不十分です。そのため、業界の専門家と協力して、特定の評価基準やレビュー項目を設定することが有用です。

ユーザーエンゲージメントの促進

口コミが少ない事業分野、購入頻度が少ない事業分野の場合は、ユーザーが口コミを投稿するためのインセンティブが必要です。割引クーポンの提供やゲーミフィケーション要素の導入など、ユーザーが積極的に参加する仕組みを考える必要があります。

信頼性と透明性の確保

口コミプラットフォームの信頼性を高めるためには、投稿された口コミが一定のモデレーションを経てから公開されるような仕組みが必要です。AIや人手による厳格なモデレーションを行い、その基準をユーザーに明示することで、透明性も確保できます。

ユーザーセグメントへの対応

特定のユーザーセグメント、例えば高級ブランド店の顧客に対して、そのニーズに合わせたプラットフォームのカスタマイズが必要です。UI/UXの設計段階から、ターゲットとするユーザーグループの特性を考慮することが重要です。

法的コンプライアンス

口コミには法的な側面もあり、特に医療や金融など、厳格な規制が存在する分野では法的コンプライアンスが必要です。専門の法律家と協力し、各国・地域の法規制に準拠した運営を行うことが必要です。

口コミサイトの雄Googleマップ

口コミ機能を実装するサイトを開発するにあたり、必ず気にしなければならないのはGoogleマップの存在です。Googleマップは、地図サービスだけでなく、高度な口コミプラットフォームとしても機能しています。

Googleマップをよくわかっていないと、いくら口コミ機能を実装しても、結局Googleマップに口コミの書き手が流れてしまい、口コミの過疎化を引き起こしてしまいます。新しい口コミサイトの開発においては、Googleマップが持つ強みにどのように対抗または補完するかを戦略的に考慮することが重要です。

Googleマップの強みと特性を深く理解することは、新しい口コミサイトを開発する際の戦略立案に不可欠です。

地域密着型の情報提供

Googleマップは、GPSデータを活用して地域特有の情報を提供します。これにより、ローカルビジネスに対する高度なターゲティングが可能です。地域に密着した情報が消費者行動に大きな影響を与えると指摘しています。

特に、地域密着型の情報提供は短期間で確立するのが難しい要素です。新しい口コミサイトがこの点で競合する場合、地域に特化した独自の情報源を提供する必要があります。

ユーザーベースの広さ

Googleマップは全世界で利用されており、多様な文化背景やニーズを持つユーザーからの口コミが集まります。これにより、多角的な評価が可能となります。大量のユーザーデータがもたらす「ウィズダム・オブ・クラウズ」(集合知)の効果です。

ユーザーベースの広さは、短期間で確立するのが難しい要素です。新規サイトでこの強みに対抗するには、特定のニッチなターゲットに特化するなどの戦略が必要です。

インテグレーションの高度化

GoogleマップはGoogle My BusinessやGoogle検索と高度に連携しています。これにより、一元的なデータ管理と効率的なマーケティング活動が可能です。新規サイトは、API連携やパートナーシップによる独自のインテグレーションを考慮するべきです。

リアルタイム性と即時性

Googleマップは、リアルタイムでの情報更新が可能です。これにより、消費者は最新の情報を得られ、信頼性が高まります。新規サイトでこの点を補完するには、高度なデータ分析と速報性を確保する技術が必要です。

高度なフィルタリングと検索機能

Googleマップでは、多様なフィルタリングオプションが用意されています。これにより、ユーザーは自分のニーズに合った情報を効率よく探せます。新規サイトでは、高度な検索アルゴリズムやAIを用いた推薦システムを開発することで、この強みに対抗できます。

Googleマップの口コミの弱みは?

無敵に見えるGoogleマップの口コミ機能ですが、当然カバーしきれない以下のような分野もあります。新しい口コミサイトを検討する場合の参考になるでしょう。

Googleマップの口コミが苦手とする分野

詳細

オンラインビジネス 物理的な店舗がない場合、地域ベースの口コミは集まりにくいです。
情報商材 地域に依存しない商品やサービスはGoogleマップでの評価が少ない傾向にあります。
B2Bビジネス 一般消費者向けでないビジネスも、Googleマップでの口コミが少ない場合があります。
高度な専門サービス 法律事務所や医療機関など、専門性が高いサービスは、一般の人々が評価することが難しい場合があります。

Googleマップの口コミではカバーされない狙い目の事業分野

Googleマップは多くの地域ベースのビジネスにとって、非常に有用な口コミプラットフォームとなっています。では、一般消費者向けのBtoCビジネスで、地域密着型のローカルビジネスはどうしてもGoogleマップには勝てないのでしょうか?そんなことはありません。

以下のような事業分野においては、Googleマップの口コミ効果が限定的です。Googleマップでの口コミが少ないため、新しい口コミプラットフォームの開発において大きな機会となる可能性があります。これらのニッチな分野に特化したプラットフォームを開発することで、新しい事業の核とすることが可能でしょう。

葬儀業

葬儀は一般的に使用頻度の低い、または非常に稀なサービスです。このような「低頻度」のサービスは、口コミが集まりにくい傾向があります。

さらに、葬儀には関わる人々の感情的な側面が非常に強く、多くの人々がその経験について公に話すことを避けるため、口コミが少なくなりがちです。しかし、だからこそ葬儀業者のサービス品質や価格についての口コミを閲覧できるサイトは貴重です。

最近調査した以下サイトは葬儀業界の口コミ情報を体系的に収集して公開する仕組みを持っています。

https://soogi.jp/

精神医療サービス

精神医療は非常にデリケートな問題であり、多くの人々がプライバシーを重視します。この「社会的タブー」により、口コミが出にくいのです。
また、精神的な問題は個々人によって異なるため、医院系ポータルサイトは多いですがメンタル系クリニックは一般的な評価が難しいとされています。

結婚相談所・マッチングサービス

結婚やパートナーシップは非常に個人的な問題であり、成功した場合でも多くの人々がその経験について公に話すことを避けます。この「プライバシーの問題」により、口コミが控えられる傾向があります。

高級ブティック・ジュエリーショップ

高級ブティックやジュエリーショップは、特定の「限られた顧客層」にサービスを提供しています。そのため、一般的な口コミプラットフォームではその評価が少ないのです。

タトゥーショップ

タトゥーのような文化的、または社会的な理由で一部の地域や集団では受け入れられない商品やサービスも多くあります。このような「文化的・社会的制約」により、口コミが出にくいのです。

税務・会計サービス

税務や会計は「高度な専門性」を要するサービスであり、一般の人々がその品質を評価することは難しいです。また、サービス内容が個々に特化しているため、一般的な口コミが書きにくいのです。

私立探偵・調査サービス

私立探偵や調査サービスは、高いレベルの「プライバシーと機密性」を必要とします。そのため、成功したとしてもその詳細を公にすることは少なく、口コミが出にくいのです。

不妊治療クリニック

不妊治療は非常に「個人的で感情的な問題」に関わるため、多くの人々がその経験について公に話すことを避けます。このようなデリケートな問題に対する口コミは、一般的なプラットフォームでは少ないのです。

まとめ

口コミ機能を有するポータルサイトの潜在的な価値とその障壁について詳しく解説しました。口コミ機能は確かに新規コンテンツの生成とユーザーエンゲージメントの促進に一役買いますが、その一方でGoogleマップという超大手プラットフォームとの競合は避けられません。

ですから、Googleマップとどのように差別化を図るかがキーです。このポイントを踏まえ、効果的なサイト開発とビジネス戦略の策定にお役立てください。
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GoogleがFAQとHowtoリッチリザルトの検索結果縮小

2023年8月9日、GoogleはFAQ(よくある質問)とHow-to(ハウツー)のリッチリザルトの表示方法を変更すると発表しました。具体的には、FAQリッチリザルトは、よく知られていて信頼のおける政府ウェブサイトおよび医療ウェブサイトでのみ表示されるようになりました。
他のサイトでは、このリッチリザルトは通常表示されなくなります。一方、HowToリッチリザルトは、モバイルデバイスでは表示されず、コンピューターのユーザーのみに表示されるようになります。

リッチリザルトとは?

リッチリザルトは、Googleなどの検索エンジンが提供する特別な検索結果の表示形式です。ページ作成の際にサイト制作者が添付した構造化データを使用してページの内容を分類し、追加情報を検索結果画面に表示します。
通常の検索結果画面で表示される記事タイトルと記事の概要に付加的な情報を追加することで、ユーザーに対してより魅力的な検索結果を提供し、ウェブサイトとの相互作用を促進することができます。

リッチリザルトの種類

リッチリザルトには以下のような種類があります。今回のGoogleの発表で影響を受けるのは4のFAQスニペットと5のHow-Toスニペットですね。
1. 特集スニペット (Featured Snippets):ユーザーの質問に直接答える情報を提供します。段落、リスト、表などが含まれることがあります。
2. 画像スニペット (Image Snippets):検索結果に画像を表示するものです。
3. 評価 (Star Ratings):製品やサービスの評価を星で表示します。
4. FAQスニペット (FAQ Snippets):よくある質問とその回答を表示します
5. How-Toスニペット (How-To Snippets):特定のタスクの手順を表示します。
6. 製品スニペット (Product Snippets):製品の価格、在庫状況、レビューなどの情報を表示します。
7. ビデオスニペット (Video Snippets):ビデオコンテンツへのリンクと短い説明を表示します。
8. イベントスニペット (Event Snippets):イベントの日付、場所、説明などの情報を表示します。
9. レシピスニペット (Recipe Snippets):料理のレシピ、調理時間、評価などの情報を表示します。
10. 求人スニペット (Job Posting Snippets):求人情報の詳細を表示します。
11. ローカルビジネススニペット (Local Business Snippets):地域のビジネスに関連する情報を提供します。
12. ソフトウェアアプリスニペット (Software App Snippets):アプリの評価、価格、プラットフォームなどの情報を表示します。

FAQ構造化データとは?

FAQ構造化データは、特定のトピックに関連する一連の質問と回答を含むページをマークアップするためのものです。正しくマークアップされたFAQページは、Google検索のリッチリザルトとして表示される可能性があります。

HowTo 構造化データとは?

HowTo 構造化データは、コンテンツがハウツーであることを Google に明示するために使用します。 ハウツーとは、あるタスクを正しく完了するための一連のステップを、順を追ってユーザーに説明するもので、動画、画像、テキストを利用できます。

リッチリザルトをコントロールする構造化データとは?

リッチリザルトで表示される記載の元となる構造化データは、ウェブページのコンテンツに関する情報を標準化された形式で提供するものです。
Googleは、ウェブ上で見つかる構造化データを使用してページのコンテンツを理解します。特別な検索結果の機能や強化も可能にします。Google検索はJSON-LDという形式の構造化データを推奨しています。

Googleが構造化データ推進に積極的な理由

構造化データは、ウェブページの内容を検索エンジンに対して明確に説明するための方法です。Googleがこのデータを解析することで、検索結果の精度を向上させることができます。
また、検索結果にリッチスニペット(評価星、価格範囲などの追加情報)を表示することにより、ユーザーにとってより魅力的な検索結果を提供できます。
さらに、人工知能(AI)と機械学習を検索アルゴリズムに積極的に取り入れているGoogleにとって、構造化データはウェブページの内容を理解し、より効率的に分析する手助けをします。

弊社でも構造化データに関する問い合わせ急増

ページ作成者側で、比較的簡単に検索エンジン(Google)にページ内容を正確に伝えることができるので構造化データの設定が一気に広まりました。
弊社でも、クライアントから高頻度で構造化データの実装に関する問い合わせを受けましたし、実際にクライアントのサイトで適切な構造化データを選定し、実装してきた実績が多くあります。特にFAQ構造化データについては、比較的実装が容易であり、その割にページ内容を分かりやすく検索エンジンに伝えられる仕様のため人気がありました。
多くのSEOコンサルタントがFAQ構造化データの設定をクライアントに売り込んでいたようです。また、「FAQ構造化データの設定が簡単」と謳うプラグインを販売する業者も多かったので、これらのツールの需要も今後変動するでしょう。

なぜFAQ構造化データを狙い撃ちで変更?

一部サイトでのFAQ構造化データの乱用が見られたのも事実です。前述のとおり、比較的実装が容易なわりに、ページ内容を効率よく検索エンジンに伝えられる仕様だったからです。
低品質のページに構造化データを詰め込んで、情報量の「水増し」を行ったり、ページ内容的にFAQがふさわしくないのに、またはページのなかにFAQセクションがないのにFAQ構造化データを実装しているページもあったようです。ここらへんは、2000年代にSEO業界で隆盛を誇った、ディスクリプションタグやメタキーワードにキーワードを詰め込むワードサラダ手法と似たようなものかもしれません。Googleとしては、構造化データの乱用誤用に関して、厳格な対応が必要だと判断したものと思われます。

なぜ構造化データがSEOで重要なのか?

構造化データを設定することには、以下2つのメリットがあります。
1. ウェブページの内容を検索エンジンに効率的に伝える
2. リッチリザルトの表示を可能にする→検索結果画面で占有面積を増やせる
リッチリザルトは、SEO戦略の一部として非常に重要です。これにより、検索エンジンでの視認性が向上し、クリック数が増加し、ユーザー体験が向上します。リッチリザルトの効果的な実装は、競合他社との差別化とブランドの強化にも寄与する可能性があります。
今回のGoogleの方針変更で影響を受けるのは上記の2の方です。一部記事では1と2を混同して、構造化データ自体が終了したかのような印象を与える記事も出回っているようなので気をつけてください。

今回の変更でどんな影響があるか?

HowToリッチリザルトについては、今後デスクトップ版のみに表示され、モバイルでは表示されなくなります。元々モバイルでの表示が少なかったため、大きな変化とは言えないかもしれません。
FAQリッチリザルトは、政府機関や権威性の高い医療系サイトページからの情報のみが適用されるようになります。一般的なサイトページは表示されなくなるため、これまでの露出の機会が減少します。ランキングには影響を与える変更ではありませんが、検索結果画面での画面占有率が低下しますので、クリック率への影響が懸念されます。

今回の変更に中小企業・商店はどのように対応すべきか?

Googleは、構造化データを削除する必要はないとしています。使用されていない構造化データによって検索で問題が発生することはなく、目に見える影響もありません。
FAQ構造化データのリッチリザルト化を期待できなくなるため、純然たるタイトルと説明文でクリック率勝負ができるようになり、コンテンツの良質化に集中できるかもしれません。HowToとFAQの構造化データとリッチリザルト化は2019年5月に始まりましたので、4年前に戻ると考えれば良いかもしれません。
FAQ構造化データは、検索結果に表示される機能としては縮小されましたが、検索エンジンにページの内容を効率よく伝える機能としては依然有効と予測されます。このため、中小企業や商店は引き続きこの機能を活用する方針を検討するべきでしょう。
ただし、FAQ構造化データを簡単に設定する目的だけに重いワードプレスプラグインやテーマを使っている場合は方針変更を検討する必要があるかもしれません。弊社では、プラグインに頼ることなく、簡単にFAQ構造化データを実装する手法をお勧めしています。お気軽にご相談ください。

まとめ

FAQ構造化データは引き続き「隠れ」重要機能として存在し続けると思われるため、現在導入している方は引き続き活用していく方がよいでしょう。変更の詳細とその影響を理解し、適切な対応を計画することが重要です。
最近はAIによる自然言語解析技術を使って、Webページのコンテンツをより正確に理解できるようになっています。もしかすると、数年後には、FAQ構造化データはまったく不要になるかもしれません。それくらいSEO業界の移り変わりは速いものです。それでも、検索エンジンと読み手に明確に要点と構造を伝えるという概念は変わらないでしょう。
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セマンティックHTMLはページ評価に影響あるの?

Does semantic HTML help Search identify and evaluate content?
先日、Google公式のSEO解説YouTubeチャンネル「Google Search Central」に以下の動画がアップされました。タイトルは「セマンティックHTMLはページ評価に影響あるの?」です。

「セマンティックHTML」、初めて聞く言葉かもしれませんね。SEO業者の営業が「弊社はセマンティックHTMLに強みがあります」などと、それっぽく使っていることもあります。「何それ?」「また新しい用語?」と心配になる方も多いかもしれませんが、心配いりません。「セマンティックHTML」は専門的な言葉ではありますが、難しく考える必要はありません。それは、ウェブサイトが検索エンジンにより良く理解され、そしてユーザーに最適な結果を提供するための手法です。

今回のメールで、セマンティックHTMLとは何か?どんな効果があるか?どのように簡単に自社サイトに実装するか説明します。セマンティックSEOの基本を理解し、自分のウェブサイトをよりよく検索エンジンに理解させ、より多くの訪問者を引き寄せるための具体的な手法を学ぶことができます。

セマンティックHTMLとは?

セマンティックHTMLとは、ウェブページの構造を検索エンジンに伝わりやすく表現するHTMLの書き方を指します。でも「検索エンジンに伝わりやすい」とはどういう意味でしょうか?私たち人間が文章を書くとき、文章の中の目立たせたい部分や見出しの字を大きくしたり、色を変えたりして、ここが文章のポイントであることを示します。同じように、コンピュータープログラムである検索エンジンに対して、コンピューターに記事のポイントや要旨を示すための手法がセマンティックHTMLです。

具体的には、見出しタグ(h1〜h6)、段落タグ(p)、リンクタグ(a)など、各HTMLタグが持つ意味を理解し、それぞれ適切な場所で使用することで、ウェブページの構造や内容を検索エンジンやユーザーに対して明示的に示すことが可能となります。

セマンティックHTMLはSEOで重要?

今回紹介しているGoogle公式YouTubeチャンネルでも、Googleエンジニアのジョンミューラー氏はセマンティックHTMLが大切なことを伝えています。

「はい、セマンティック HTML はページを理解するのを助けます。しかしながら、ウェブサイトのランクを上げるための魔法ではないことに注意してください。」

セマンティックHTMLはこのSEOを強化する上で欠かせない要素となりますが、その理由を詳しく見ていきましょう。

クローラーがページの理解をしやすくなる

まず、セマンティックHTMLは検索エンジンの「クローラー」(ウェブ上の情報を読み取るロボット)がWebページの内容を理解するのを助けます。クローラーはウェブページのHTMLを読み取り、それが何についてのページなのか理解します。

セマンティックHTMLを使うと、各部分が何を意味するのかを正確にクローラーに伝えることができ、ウェブサイトの内容が正確にインデックス(検索エンジンが情報を整理するプロセス)されます。

ユーザーエクスペリエンスの向上

次に、セマンティックHTMLは「ユーザーエクスペリエンス」の向上にも寄与します。これは、ウェブサイトを訪れた人々がより良い体験をすることを意味します。

具体的には、視覚障害者がスクリーンリーダー(画面読み上げソフト)を使用する際に、セマンティックHTMLによって内容が正確に伝えられ、ウェブサイトの使いやすさが向上します。このような使いやすさは、検索エンジンがサイトのランキングを決める要素の一つとなります。

検索結果の表示改善

最後に、セマンティックHTMLは検索結果の表示を改善します。例えば、ページの見出しを表すh1タグや、重要なキーワードを含むメタタグなどは、検索結果に表示されます。適切にセマンティックHTMLを用いることで、検索ユーザーが求めている情報が検索結果ページに的確に表示され、サイトへのクリックを促すことが可能になります。

セマンティックHTMLの具体的な使い方

さて、セマンティックHTMLの重要性については理解していただけたと思います。では次に、それをどのように具体的に活用すれば良いのかわかりやすく解説します。

キーワードの適切な使用

セマンティックHTMLでは、キーワードを適切に使うことが求められます。キーワードとは、ユーザーが検索エンジンで入力する言葉です。キーワードを適切に使うことで、検索エンジンがあなたのウェブサイトを正しく理解し、適切な検索結果として表示することができます。

具体的には、ヘディングタグ(例えば、H1やH2)やパラグラフの初めの方にキーワードを配置することが推奨されます。

構造化データの活用

次に、セマンティックHTMLでは構造化データの活用が重要です。構造化データとは、ある情報が何を意味するのかを検索エンジンに教えるためのデータです。

例えば、「レビューの星の数」や「製品の価格」などの情報を、検索エンジンが理解できる形式で提供することが可能です。これにより、検索結果ページでリッチスニペット(通常とは別枠の結果表示)として表示され、ユーザー体験が向上します。

メタタグを用いた情報の追加

メタタグは、ウェブページのメタデータ(データのデータ)を提供します。これは、ページの説明、キーワード、著者など、ページの内容を要約する情報を検索エンジンに伝えます。これらの情報は、検索エンジンの結果ページに表示され、ユーザーがクリックするかどうかを決定する重要な要素になります。

コンテンツの品質

セマンティックHTMLの使用方法において重要な点の一つは、コンテンツの品質を確保することです。低品質記事の内容をいくらセマンティックHTMLで検索エンジンに伝えても意味がありません。セマンティックHTMLの肝は、きっちり作られた記事内容を的確に検索エンジンに伝えることです。ウェブページの内容が高品質であればあるほど、そのページは検索エンジンによって高く評価されます。

具体的には、提供する情報が正確で、読者にとって有益で、しかも独自の視点や分析を含むことが求められます。また、テキストの読みやすさも重要で、明確で簡潔な文体を心掛け、専門用語は最初にその定義を説明するなどして、どんな読者にも理解できるようにすることが大切です。

ユーザーエクスペリエンスの最適化

最後に、セマンティックHTMLはユーザーエクスペリエンスの最適化にも役立ちます。検索エンジンは、ユーザーがウェブサイトに滞在し続けるかどうかを評価するため、使いやすさを重視します。

ウェブページが構造的に整理され、情報が容易に探せるようになってユーザーの利便性を高める要素はすべてSEOに寄与します。

セマンティックHTMLで注意すべきこと

セマンティックHTMLを使用する際には、いくつかの注意点があります。

過度なセマンティックHTMLの利用

セマンティックHTMLは便利でSEOに有効ですが、その使用は適切な範囲内に留めるべきです。過度にセマンティックタグを使用すると、以下のリスクがあります。

● ページの読み込み速度が遅くなる
● コードのメンテナンスが困難になる

基本的には、ページの主要な構造を明確にするために必要なタグのみを使用し、その他の部分はシンプルに保つことを心がけましょう。

ブラウザ間の互換性問題

セマンティックHTMLを使用する際には、異なるブラウザ間での互換性も考慮する必要があります。特に新しいHTML5のセマンティックタグ(例えば、articleやsectionなど)は、古いブラウザでは正しく認識されない可能性があります。

そのため、全てのユーザーに適切な体験を提供するためには、ウェブページが異なるブラウザでも適切に機能することを確認することが重要です。これを確認する一つの方法は、クロスブラウザテストツールを使用することです。

まとめ

セマンティックHTMLは、一時期SEOコンサルの間でもバズワード、キラーワードとして盛んに使われました。しかし、実はごくごく基本のSEO戦略を包括的に説明しているだけの用語です。

最近はAIによる自然言語解析技術を使って、Webページのコンテンツをより正確に理解できるようになっています。もしかすると、数年後には、現在のセマンティックHTMLで重要視される詳細手法はまったく不要になるかもしれません。それくらいSEO業界の移り変わりは速いものです。それでも、検索エンジンと読み手に明確に要点と構造を伝えるというセマンティックHTMLの概念は変わらないでしょう。

最新のSEO戦略情報収集、SEOの外注化、または内製化における伴走型サポートに興味ある方は弊社にお気軽にご相談ください。

かっこ株式会社の統一されたイラスト使いの巧みさ

決算説明会資料・株主総会資料・会社説明資料などのIR資料作成担当者の方にすぐ役立つ情報をお届けします。

かっこ株式会社(Cacco Inc.)は、主にビッグデータとアルゴリズムの領域における不正検知サービスサービス、決済コンサルティング、データサイエンスサービスを提供している企業です。
国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模拡大や越境ECの規模拡大が予想される中で、未払いや詐欺などの不正も増加し、収益向上の阻害要因となっています。かっこ株式会社は独自のロジックで利用者の「ふるまい」から異常・不正を検知し、新たな手口にも柔軟に対応できる不正検知のソリューションを提供しています。
また、EC事業に携わってきたノウハウに基づき、決済メニューの導入に関するコンサルティングを実施し、消費者満足と利益の最大化を両立する提案を行っています
2023年5月に発表された「2023年12月期 第1四半期 決算説明資料」から、IR資料の最新動向を学びましょう。デザイン性あふれた資料となっています。

表紙デザインが秀逸


まず目を引くのは表紙のデザインの完成度の高さです。上記2枚は2022年と2021年の表紙です。毎回コーポレートカラーに合わせたセンスあふれる表紙を制作してくるそのデザイン能力の高さには驚かされます。毎回ガラッとデザインを変えながらも、コーポレートカラーを巧みに使用して統一性を保っています。
決算資料制作担当者であればわかると思いますが、毎回表紙のデザインを変えるのはたいへんな工数です。しかも、その中で統一感を守るのは並大抵のデザインセンスではありません。
コーポレートカラーやブランドカラーの一貫性は、ブランドのイメージを強化し、視覚的な影響力を保つための重要な要素です。この決算資料を見ると明らかなように、ブルー系の落ち着きのある色とそのグラデーションが基調となっていて、視認性が高く落ち着いた表紙を作り出しています。これにより、資料全体の見栄えが統一され、専門性と一貫性を伴った印象を提供します。これは投資家に対して、企業の信用度と安定性を伝える上で非常に有効でしょう。

外枠で締まるデザイン

また、上記ページのように、すべてのページにコーポレートカラーの外枠をつけているのも資料の統一感で重要な役割を果たしています。また、この外枠の効果によって、とりとめのない感じになりがちな表やグラフがギュッと締まりリッチに見えます。
注意すべき点として、外枠を使用する際には、その幅と色が資料全体の視覚的バランスを崩さないようにすることが重要です。
また、全体のレイアウトにも気をつけましょう。外枠の色とレイアウトの適切な使用により、資料全体が一体感を持ちます。

イラストの効果的な繰り返し配置


かっこ株式会社の決算資料のすばらしいアクセントとなっているのが、資料の各所に配置されたイラストです。あえて繰り返し配置することで、資料の流れを作れていますし、その流れが読み手に伝わるようになっています。しかも、同じイラストを使っていてもサイズを変えることで単調に見えることを防いでいます。
また、同じテーマについて論じるページでは同じイラストを基調にしながら展開・変形したイラストを配置しています。以下がその例です。





上記5ページでは、コーポレートカラーを大胆に使用した円形のイラストを大きく配置し、その周辺のイラストを変形していくことでページのテーマを明確にして展開しています。
このような手法を活用することで、決算資料がどうしても膨大な情報量となりがちな状況でも、一貫したブランドイメージを維持し、視覚的に訴求力のあるプレゼンテーションを作ることが可能になります。
ただし、その際に注意すべきなのは、イラストやカラーの使用が過度にならないようにすることです。イラストは情報を強調し、理解を助けるためのツールであり本質を隠すためのものではありません。つまり、イラストを用いるときは、それが情報の伝達を補完し、強調する形で使用することが重要です。
また、コーポレートカラーを大胆に使うことでブランドイメージを強化できますが、使いすぎると情報が読みとりにくくなる可能性もあります。色彩の選択は、視覚的な印象と情報の伝達との間で適切なバランスが重要です。
これにより、資料全体が一体感を持ち、その結果、読み手に一貫したメッセージを伝えることが可能になります。視覚的な要素を適切に活用し、情報を明確に伝えることで、読み手に対してプロフェッショナルで信頼性のある印象を与えることができます。

テキストはグレーボックスで囲めばかっこよくなる

決算資料制作担当者がすぐにまねできるテクニックが、上記のページで印象的な使い方をされているテキストボックスです。これは、どんなデザイン、どんなカラーベースの決算資料でも汎用的に使えるテクニックです。
テキストをわずかに太字にし、薄いグレーのボックスで囲むだけのシンプルな手法ですが、これによりページ全体が統一感を持ち、視覚的に一貫性が保たれます。さらに、テキストボックスは読者の視線を自然に誘導する役割も果たします。重要な情報を強調し、読者がその情報に注意を向けるようにすることで、資料のメッセージがより明確に伝わります。
覚えておきましょう!テキストを少し太字にして、薄いグレーで囲むだけ。これで、ページ全体がビシッと締まりますし、読み手の視線を自然に誘導しやすくなります。

上手なチャーンレート(解約率)の見せ方

かっこ株式会社が提供している不正検知サービスはSAASスタイルで提供されています。SAAS事業を展開する企業にとって重要なKPIがサービスのチャーンレート、つまり解約率です。
当然ですが、解約率はネガティブな指数ですし、常に0になるのも非現実的です。また、サービスや商品のタイプによって大きく幅があるので、明確な基準を示しにくいKPIです。ですから、資料での見せ方には気を使うKPIと言えるでしょう。
それでも、ステークホルダーの注目度も高いこのKPIを分かりやすく見せるために最近はグロスチャーンレートとネットチャーンレートの2つを並べて見せるのが常道となっています。グロスは、いわゆる解約率を意味します。ネットは、解約数と新規獲得数を比較して、新規獲得が多ければマイナスの数字になります。
かっこ株式会社でも、上記ページのようにネットとグロス2種類のグラフを時系列で示しています。Gross解約率を低く保ち、Net解約率でマイナスの数字を保っていることを明確に示し、ステークホルダーに安心感を与える資料の作りになっています。
アクセント色を用いて重要なポイントやキーワードを強調することで、読み手が重要な情報に目が止まりやすくなります。これにより、資料を読む際の効率性が向上し、情報の伝わりやすさが増します。投資家が多くの企業のIR資料を比較検討する中で、自社の資料が目立ちやすくなる効果があります。

まとめ

かっこ株式会社が2023年5月に発表した決算情報から、IR資料作成で敷衍して活用できる部分は以下です。

【重要】
1. コーポレートカラーを用いた毎回変わる表紙デザイン
2. 外枠の使用
3. イラストを展開しながら繰り返し使用
4. テキストはグレー囲みすれば締まって見える
5. チャーンレートの見せ方

デザインセンスの高さはなかなか真似が難しい点ですが、外枠の使用やテキストのグレー囲みなどはいますぐにでも使えるテクニックではないでしょうか?ぜひ自社の資料作成にお役立てください。