関連記事(内部リンク)とSEOの関連性
内部リンクって何だろう?と思った方もいるかもしれません。簡単に言うと、内部リンクとは、Webサイト内のページ同士をつなぐリンクです。弊社でも使用しているSEO分析超定番ツールAhrefsが運営しているSEO関連情報サイトで「Does Adding a Related Post Section Help Your Blog? We Tested It」(関連記事セクションの追加は重要?試してみた!)という記事が2024年3月13日に公開されました。Ahrefs公式コンテンツサイトで関連記事セクションを追加して、前後のトラフィックの増減を検証している興味深い内容です。
詳細の検証方法と詳細な結果数値は本ページに譲りますが、結果は以下のように要約されます。
関連記事セクションを削除した多くのページでトラフィック減少が見られた
英語ページのみ再度関連記事セクションを戻すと英語ページはトラフィック増加、非英語ページは変化なし
関連投稿セクションがあると訪問者はサイトでより多くの時間を費やし、より多くのページを閲覧している
関連記事セクションがSEOに大きなポジティブな影響を及ぼしていることは明らかのようです。
興味深い点は、もともと内部リンクが高レベルで最適化されているAhrefs公式ブログでも上記のような一定の効果があったことから、まだ内部リンクが十分でなく多くのコンテンツを持つブログではより大きな効果が期待できるでしょう。
これらの内部リンクは、サイトの構造を明確にし、訪問者が目的のページに簡単にたどり着けるようにするために重要な役割を果たしています。また、GoogleやBingなどの検索エンジンが、サイトのページを見つけてインデックス化する際にも、内部リンクは大きな手がかりになります。
関連記事セクションとは
関連記事セクションについて詳しく見ていきましょう。関連記事セクションとは、今読んでいる記事に関連する他の記事へのリンクをまとめたセクションのことです。多くの場合、記事の最後や横に配置されていて、読者が興味を持ちそうな関連コンテンツを提示することで、サイト内の回遊を促す役割を担っています。
関連記事セクションの実装方法はさまざまですが、よく使われるのは、記事のカテゴリーやタグ、キーワードなどを基に自動的に関連記事を抽出して表示する方法です。記事のメタデータを活用したり、AIを使って関連性を分析したりすることで、より精度の高い関連記事の提示も可能になります。
なぜ関連記事セクションはSEOにいい影響を与えるのか?
追加の内部リンクによるリンクジュースの流れ
関連記事セクションを導入することで、サイト内に追加の内部リンクが生まれます。これらのリンクは、サイト内のリンクジュースの流れを強化し、重要なページへの流入を増やす効果があります。
つまり、関連記事セクションは、サイトの中で権威のあるページから他のページへのリンクジュースの流れを作り出し、SEOにプラスの影響を与えるのです。
例えば、人気の高い記事から関連記事へのリンクを張ることで、その関連記事のSEOパフォーマンスを向上させることができます。これは、人気記事のリンクジュースが関連記事に流れ込み、検索エンジンからの評価を高めるからです。
ユーザーエンゲージメントの向上
関連記事セクションは、ユーザーエンゲージメントの向上にも大きく貢献します。読者が興味を持ちそうな関連コンテンツを提示することで、サイト内の滞在時間が長くなり、ページビュー数も増加します。これらの指標は、検索エンジンがサイトの価値を評価する上で重要な要素となります。
例えば、あるブログ記事を読んだ読者が、関連記事セクションから別の記事へ移動し、さらにその記事から別の関連記事へと移動するというシナリオが考えられます。このようにして、読者がサイト内で長く滞在することで、サイトの価値が高まり、SEOにもポジティブな影響を与えるのです。
表示する関連記事の選定基準
- コンテンツの関連性
関連記事セクションを最適化するために最も重要なのは、表示する記事のコンテンツが現在の記事と関連性が高いことです。関連性の高い記事を選ぶことで、読者にとって価値のある情報を提供できます。 - 記事の品質と価値
関連記事の選定においては、記事の品質と価値も重要な基準となります。関連性が高くても、内容が薄っぺらだったり、古い情報だったりする記事は避けるべきです。
関連記事は、信頼できる最新の情報で、読者に役立つ内容であることが大切です。 - コンテンツ構造を示す内部リンク
関連記事の選定には、内部リンクの必要性も考慮すべきです。サイト内の重要なページへのリンクを張ることで、サイト構造を強化し、SEOにプラスの影響を与えることができます。
例えば、「ランニングシューズの選び方」の記事から、「ランニング初心者ガイド」や「ランニングの基礎知識」といった基本的な情報をまとめたページにリンクを張ることで、サイトの中核となるコンテンツへの導線を作ることができます。これにより、サイトの構造が明確になり、検索エンジンからの評価も高まるでしょう。
関連記事の表示する際のポイント
記事本文下部への配置
関連記事セクションの配置場所としては、記事本文の下部が最も一般的です。読者が記事を最後まで読み終えた後に、関連記事を見つけやすい位置にあることが重要ですね。
また、関連記事セクションを本文下部に配置することで、記事の内容に沿った自然な流れで関連記事を紹介できます。これにより、読者はスムーズに次の記事へと移動することができるでしょう。
サムネイルや見出しの使用
関連記事セクションでは、サムネイル画像や見出しを使うことで、読者の注目を集めることができます。ビジュアル的に魅力的な画像と、興味をそそる見出しを組み合わせることで、クリック率を高める効果が期待できます。
アンカーテキストの最適化
関連記事へのリンクを設定する際は、アンカーテキストの最適化も忘れずに行いましょう。アンカーテキストは、リンクのテキスト部分のことで、読者と検索エンジンの両方に対して、リンク先のページの内容を伝える重要な役割を果たします。アンカーテキストには、リンク先のページのキーワードを自然な形で含めるようにしましょう。ただし、毎回同じキーワードを使うのではなく、シノニムや関連語を使って変化をつけることも大切です。
外部リンクとのバランス
関連記事セクションでは、内部リンクだけでなく、外部リンクとのバランスも考える必要があります。信頼できる外部サイトへのリンクを適度に含めることで、サイトの信頼性を高める効果が期待できます。
ただし、外部リンクを設置する際は、リンク先のサイトの品質や関連性を十分に確認することが大切です。また、内部リンクと外部リンクのバランスにも気を配り、内部リンクの方が多くなるようにしましょう。
WordPressサイトで関連記事を表示させる方法
Jetpackプラグイン
WordPressを使っているサイト運営者にとって、関連記事セクションを簡単に導入する方法の1つが、Jetpackプラグインの関連記事機能です。Jetpackは、WordPressの公式プラグインの1つで、様々な機能を提供しています。その中に、関連記事を自動的に表示する機能があります。
Jetpackの関連記事機能を使えば、自分で複雑な設定をしなくても、簡単に関連記事セクションを追加できます。プラグインを有効化し、設定画面で関連記事の表示オプションを選ぶだけで、すぐに関連記事が表示されるようになります。
ただし、Jetpackの関連記事機能は、記事の内容を分析してリンクを生成するため、サイトのトラフィックが多い場合は、サーバーに負荷がかかる可能性があります。また、関連記事の選定基準をカスタマイズすることが難しい欠点もあります。
Yet Another Related Posts プラグイン
もう1つのおすすめは、Yet Another Related Posts Plugin(YARPP)という専用のプラグインを使う方法です。YARPPは、記事内のキーワードやタグ、カテゴリーなどを分析して、関連性の高い記事を抽出し、表示してくれるプラグインです。
YARPPの設定画面では、関連記事の選定基準や表示オプションを細かくカスタマイズできます。例えば、関連度の計算方法や関連記事の表示数、表示デザインなどを自分の好みに合わせて設定できます。これにより、自分のサイトに最適な関連記事セクションを作ることができます。
ただし、YARPPも記事の分析処理にサーバーリソースを消費するため、サイトのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。また、プラグインの設定が少し複雑なので、初心者には少し敷居が高いかもしれません。
カスタムフィールドを用いた手動選択
最後に紹介するのは、カスタムフィールドを使って関連記事を手動で選択する方法です。カスタムフィールドとは、WordPressの記事に独自のメタデータを追加できる機能のことです。
この方法では、記事を投稿する際に、カスタムフィールドに関連記事のURLを手動で入力します。そして、テーマのテンプレートファイルを編集して、カスタムフィールドに入力されたURLを取得し、関連記事として表示するようにします。
手動で関連記事を選択するため、関連性の高い記事を確実に表示できるのがメリットです。また、サーバーに負荷をかけずに関連記事を表示できるのも大きな利点と言えます。
ただし、この方法は手作業が多くなるため、記事数が多いサイトでは管理が大変になります。また、テーマのテンプレートファイルを編集する必要があるため、HTMLとPHPの知識が必要になります。
まとめ
コンテンツSEOにおける関連ページ(内部リンク)について、Ahrefsの検証記事を基に基礎知識からメリット、実装方法を解説しました。
関連記事セクションを導入する際は、記事の関連性や品質、内部リンクの必要性などを考慮して、表示する記事を選定することが大切です。また、記事の下部への配置や、サムネイルと見出しの使用、表示記事数の最適化などにも気を配りましょう。
大切なのは、ユーザーファーストのサイト作りです。検索エンジン対策に振り回されるのではなく、自社サイトの読みやすさを高めることに注力することこそが、安定的なSEOを実現するための王道と言えるでしょう。
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