サブディレ貸し=寄生サイトが手動ペナルティで一斉摘発へ?


日本でも「サイト評判の不正利用」の通報メニューがGoogleのスパムレポートに追加されるようになっています。ユーザーはいわゆる「寄生サイト」を見つけた場合に不正利用として簡単に通報できるようになりました。

Googleのスパムポリシーにおいて、サイト評判の不正使用とはサイトの得ている評判を悪用する行為として定義されています。具体的には、ドメインの評価を利用する目的で、その元サイトの運営とは無関係の第三者がサブディレクトリを借りてページを公開する行為を指します。これにより、検索ランキングを不正に操作しようとする試みが「寄生サイト」と呼ばれて問題視されていました。

2024年5月5日から、Googleはこのような不正行為を新たなスパムポリシーとして適用し始めました。スパムレポートの選択肢に「サイトの評判の不正使用」と「期限切れドメインの不正使用」が追加されています。

違反サイトにはペナルティが課され、検索結果からの除外やランキングの大幅な低下が予想されます。Googleは、悪質なサイトに対する手動によるペナルティ対策もすでに実施されているようです。XなどのSNSを見ても、国内、海外のサイト運営者が手動ペナルティを受けた(と思われる)阿鼻叫喚の様が繰り広げられています。

今回は、Googleによるペナルティについて、ペナルティの種類、対応策について説明します。

Googleペナルティとは

Googleペナルティとは、Googleの検索アルゴリズムやウェブマスターガイドラインに違反したサイトに対して、検索結果での表示順位を下げるなどのペナルティを課すことです。

ペナルティには大きく分けて2種類あります。1つは自動ペナルティで、Googleのアルゴリズムが自動的に検知して課すものです。

もう1つは手動ペナルティで、Googleの品質評価者が個別に確認して課すものです。

例えば、コンテンツの質が低い、スパムリンクが多い、サイトの読み込み速度が極端に遅いなどの要因で、自動ペナルティが課される可能性があります。一方、明らかな規約違反や悪質なSEO手法の使用が発覚した場合は、手動ペナルティの対象となることがあります。

ペナルティを受けるとどうなる?

Googleペナルティの影響は、軽微なものから致命的なものまで以下のように様々です。

  • 検索順位の急落
  • オーガニックトラフィックの減少
  • インデックス数の減少
  • リッチスニペットやサイトリンクなど、検索結果での特別な表示が制限

Googleペナルティは単なる「検索順位の問題」ではなく、ビジネス全体に大きな影響を与える可能性がある重大な問題です。だからこそ、ペナルティを予防し、万が一受けた場合も迅速に対応することが極めて重要となります。

Googleペナルティの種類

Googleペナルティには大きく分けて2種類あります。自動ペナルティと手動ペナルティです。

自動ペナルティ

自動ペナルティは、Googleのアルゴリズムが自動的に検知して適用するペナルティです。人間の介入なしに、機械的に判断されます。

多くのサイト運営者は気付かないうちにこのペナルティを受けています。アルゴリズムのアップデートと同時に適用されることが多く、突然の順位変動として現れます。今月中旬(2024年8月15日)にもコアアプデが始まり、大きな順位変動が起きているようです。

低品質なコンテンツや不自然な外部リンクを持つサイトが対象となることが多いです。また、ページの読み込み速度、インタラクティブ性、視覚的安定性などが評価されます。問題を修正すれば、次のアルゴリズム更新時に自動的に回復する可能性があります。

手動ペナルティ

手動ペナルティは、Googleの品質評価者が個別に確認し、手動で適用するペナルティです。通常、明らかなウェブマスターガイドライン違反や悪質なSEO手法が発見された場合に適用されます。

Google Search Console(サーチコンソール)を通じて、ペナルティの理由と対策方法が通知されます。自動ペナルティよりも影響が大きく、場合によってはサイト全体がインデックスから除外される(いわゆる「飛ばされる」)こともあります。

以下のような、ミスでは済まない悪質で、かつ確信犯的にアルゴリズムを悪用しようとするサイトに科されます。

  • 薄いコンテンツ:価値の低い、または最小限のオリジナルコンテンツしか持たないページが多数存在する場合。
  • 隠しテキスト/リンク:ユーザーには見えないが検索エンジンには認識される隠しコンテンツを使用している場合。
  • 不自然なリンク:大量の低品質なリンクを購入している場合。

問題を修正した後、手動で再審査リクエストを送信する必要があります。

今回のサブディレ貸しサイト案件についても、この悪意のあるサイトとみなされてサイト全体、つまり寄生サイトと元サイト両方がペナルティ対象となっています。

ペナルティを受けているかどうかの確認方法


Googleペナルティを受けているかどうかを早期に発見することは非常に重要です。ペナルティを受けているかどうかを効果的に確認する方法を詳しく解説します。

Googleサーチコンソールの確認

Googleサーチコンソールは、ペナルティの有無を確認する最も直接的な方法です。特に手動ペナルティの場合、以下手順で明確な通知を受け取ることができます。

  1. Googleサーチコンソールにログインします。
  2. 左側のメニューから「セキュリティと手動による対応」をクリックします。
  3. 手動による対応がある場合、ここに詳細が表示されます。

ただし、自動ペナルティの場合、明確な通知はありません。上記で「対応なし」と表示されていても、自動ペナルティを受けている可能性はあります。

検索順位の変動チェック

検索順位の急激な変動は、ペナルティの重要な兆候です。特に、複数のキーワードで同時に順位が下がる場合は要注意です。

SEOツール(例:Ahrefs、SEMrush、Rank Trackerなど)を使用して、主要キーワードの順位推移をモニタリングしましょう。

特定のキーワードグループだけが影響を受けている場合、部分的なペナルティの可能性があります。インデックスページ数が急激に減少している場合、サイト全体へのペナルティの可能性が高いです。

トラフィックの急激な減少

オーガニックトラフィックの急激な減少は、ペナルティを示す最も明確な指標の一つです。

Google Analyticsでオーガニック検索のトラフィックに注目し、急激な減少がないか確認します。

ペナルティからの回復方法

Googleペナルティを受けた際の回復方法を段階的に解説します。

原因の特定と修正

ペナルティからの回復の第一歩は、問題の根本原因を特定し、それを修正することです。

まずは以下の観点で徹底的な調査を行いましょう。

  1. Googleサーチコンソールのメッセージを確認
  2. サイト監査ツールを使用してテクニカルSEO問題を特定
  3. コンテンツの質と独自性を評価
  4. バックリンクプロファイルを分析
  5. 特定された問題を優先順位付けし、アクションプランを作成します。

アクションプランに含む修正内容については、以下が考えられるでしょう。

  • コンテンツの改善:薄いコンテンツの強化、重複コンテンツの削除または統合
  • リンク問題の解決:過剰な内部リンク、不自然な外部リンクの最適化
  • テクニカルSEOの改善:サイト速度の向上、モバイル最適化、構造化データの実装

再審査リクエストの送信方法

手動ペナルティの場合、問題を修正した後、Googleに再審査を依頼する必要があります。

Googleサーチコンソールにログインして、「セキュリティと手動による対応」セクションで「リクエストを送信」ボタンをクリックしましょう。

再審査依頼の際は、問題の修正内容を詳細に説明して、今後の再発防止策を明記しましょう。

再審査リクエスト後、2週間〜2ヶ月程度でトラフィックや順位が、徐々に回復することが多いようです。

ペナルティを受ける前に予防する方法

ペナルティを予防するための効果的な方法と、長期的に安定したSEOを実現するためのベストプラクティスを紹介します。

高品質なコンテンツの作成

高品質なコンテンツは、Googleペナルティを予防する最も効果的な方法の一つです。以下のポイントに留意しましょう。

  • オリジナリティ:他のサイトにない独自の視点や情報
  • 深さと網羅性:トピックを深く掘り下げ、ユーザーの疑問に包括的に答える
  • 最新性:定期的に内容を更新
  • 読みやすさ:適切な見出し、段落、箇条書きを使用する
  • マルチメディア:適切な画像、動画、インフォグラフィックスを活用する

テクニカルSEOの最適化


テクニカルSEOの問題は、サイトのパフォーマンスに大きな影響を与え、間接的にペナルティのリスクを高める可能性があります。以下が重要なポイントです。

  • サイト速度の最適化
  • モバイルフレンドリー
  • HTTPS化
  • 構造化データの実装
  • サイト構造の最適化

まとめ

Googleペナルティについて詳しく見てきました。Googleペナルティには自動ペナルティと手動ペナルティがあり、どちらもサイトのトラフィックや検索順位に深刻な影響を与える可能性があります。重要なのは、初期段階でペナルティを検知し、迅速な対応を行うことです。

Googleのアルゴリズムは常に進化していますし、検索ユーザーの行動やニーズは時間とともに変化します。継続的なSEO対策は、単なる検索順位の向上だけでなく、ブランド価値の構築にも貢献します。

Googleペナルティは恐れるべきものではありますが、適切な知識と継続的な努力があれば、十分に予防し、対処することができます。重要なのは、ユーザーファーストの姿勢を常に保ち、価値ある情報を提供し続けることです。何か疑問や不明点があれば、いつでもお問い合わせください。

弊社スリードットは、純粋な「SEO業者」ではありませんが、SEOを含めた総合格闘技としてWebマーケティングの支援をさせていただいております。最新のWebマーケティング情報収集、SEOの外注化、または内製化における伴走型サポートに興味ある方は弊社にお気軽にご相談ください。