内部リンクが多すぎるとSEOに悪影響?Googleの最新見解

8月末になりますが、Linkedinで以下のような質問がアップされました。

SEO 担当者の間では、1,000 ワードのブログ記事に合計 2〜 5 個の内部リンクと 1〜 3 個の外部リンクを追加するのが効果的だと考えるのが一般的です。また、リンクを追加するとサイトに悪影響が出る可能性があり、リンクを減らすとあまり価値がなくなるとも考えられています。リンクの数が本当に重要なのかどうか、明確にしていただけますか?(翻訳は編集部)

上記の質問のうち、単語数についてはGoogleは繰り返し「重要ではない」と繰り返してきました。確かに実感としても、以前のようにとにかく網羅的に全部入りで説明した記事よりも、特定のトピックについてピンポイントで説明した記事が好まれていることは感じます。

しかし、ページ内の内部リンク数については、Google内部の方がきちんと説明しているのはあまり聞いたことがないように感じます。上記質問にGoogle のジョン・ミューラー氏が以下のように答えました。

Google ではブログ投稿のリンクや単語数を数える人はいませんし、たとえ数えていたとしても、読者に向けて書くことをお勧めします。あなたの読者がどんな人かは知りませんが、コンテンツを読む前に単語数を数える人に出会ったことはありません。(翻訳は編集部)

この答えだけ見ると、内部リンク自体が重要でないかのように誤解する方もいるかもしれません。もちろんそうではありません。ページの単語数について、そのクエリーごとに最適解が存在するように、内部リンクについても、そのページごとの最適解があります。

内部リンクの設置や構造の最適化は、多くのSEOコンサルタントが戦略に含める項目です。しかし、どこに何本設置すべきか(またはしないべきか)について、体系的に答えを持つSEOコンサルタントは意外に多くないのではないでしょうか?

今回は、内部リンクの設置最適化方法について説明します。

内部リンクとは?

内部リンクは、同一ドメイン内のページ間を結ぶリンクです。主な役割は、サイト構造の最適化とページ間の関連性強化にあります。

内部リンクがSEOにもたらす最も重要なメリットは、以下の3点に集約されます。

クローラビリティの向上

内部リンクは、Googleのクローラーがサイト内を効率的に巡回するための道標となります。適切に設計された内部リンク構造は、クローラーがサイト内の重要なページを見落とすリスクを大幅に減少させます。

特に、サイトの規模が大きくなればなるほど重要性を増します。

トピッククラスタリングの強化

内部リンクは、関連性の高いコンテンツ同士を結びつけることで、特定のトピックに関する情報構造を形成します。これは「トピッククラスタリング」と呼ばれるSEO手法の基盤です。Googleに対してサイトの専門性や権威性を示す強力な手段となります。

例えば、「デジタルマーケティング」というメインテーマに対して、「SEO」「コンテンツマーケティング」「SNS戦略」などのサブトピックページを適切にリンクすることで、デジタルマーケティングの専門サイトとしての地位を確立できるのです。

ページランクの戦略的分配

内部リンクを通じたページランクの分配は、サイト全体のSEOパフォーマンスを最適化する上で非常に重要です。高い評価を得ているページから、戦略的に重要なページへと内部リンクを張ることで、サイト全体の評価を効果的に底上げすることができます。

例えば、多くの外部リンクを獲得しているブログ記事から、コンバージョンに直結する商品ページやランディングページへ適切に内部リンクを設置することで、それらのページの検索順位を向上させる可能性があります。

Googleが推奨する内部リンクの考え方

Googleが推奨する内部リンクの配置には、以下の重要なポイントがあります。

自然な文脈に基づく配置

Googleは、コンテンツの文脈に沿った自然な内部リンクの配置を高く評価します。これは単にキーワードにリンクを張るだけでなく、ユーザーが求める情報や関連する深い洞察へとスムーズに誘導することを意味します。

例えば、SEOに関する記事内で「バックリンク」という用語が出てきた場合、それをバックリンクの詳細を説明するページにリンクすることで、ユーザーに追加の価値を提供できます。

階層構造を反映したリンキング

Googleは、サイトの論理的な階層構造を反映した内部リンキングを推奨しています。これは、パンくずリストやサイトマップなどの導入だけでなく、コンテンツ間の関係性を明確に示す以下のようなリンキング戦略を意味します。

  • 親ページから子ページへの双方向のリンク
  • 同じカテゴリー内の関連ページ間のリンク
  • トップページから重要なランディングページへの直接リンク

アンカーテキストの最適化

Googleは、内部リンクのアンカーテキストを通じて、リンク先ページの内容を理解しようとします。そのため、具体的で説明的なアンカーテキストの使用が推奨されています。

例えば、「こちら」や「詳細はこちら」といった一般的なアンカーテキストではなく、「SEOの基本戦略10選」のように、リンク先の内容を端的に表現するアンカーテキストを使用することが効果的です。これにより、ユーザーとGoogleの両方に対して、リンク先の内容をより明確に伝えることができます。

モバイルファーストインデックスへの対応

Googleがモバイルファーストインデックスを採用して以来、モバイル環境での内部リンクの使いやすさがより重要になっています。これは、タップしやすいリンクの配置や、モバイル画面でも見やすいナビゲーション構造の構築を意味します。

内部リンクの多すぎは本当にSEOに悪影響?

内部リンクの過剰使用に関しては、SEO業界で長年議論の的となってきました。結論から言えば、適切に配置された内部リンクは決して「多すぎる」ことはありません。ただし、無秩序に大量の内部リンクを設置することは、確かにSEOに悪影響を及ぼす可能性があります。

過剰な内部リンクは、Googleのクローラーに混乱を与える可能性があります。これは「クロールバジェットの浪費」と呼ばれる問題につながります。クロールバジェットとは、Googleがあるサイトに割り当てる巡回リソースの総量を指します。

例えば、1つのページに100以上の内部リンクがある場合、クローラーはどのリンクが重要で、どのリンクがそうでないかを判断するのに苦労する可能性があります。結果として、重要なページへのクロールが遅れたり、場合によってはスキップされたりする危険性があります。

過剰な内部リンクは、ユーザーにとっても好ましくありません。多すぎるリンクは、ページの可読性を低下させ、ユーザーを混乱させる可能性があります。これは直接的にはSEOの問題ではありませんが、ユーザー体験の低下は直帰率の上昇やサイト滞在時間の減少につながり、間接的にSEOに悪影響を及ぼす可能性があります。

内部リンクの適切な数を決める要因とは?

サイト内での各ページの役割や重要度に応じて、内部リンクの数を調整します。例えば、コンバージョンに直結する重要なランディングページには、サイト内の様々な場所から多くの内部リンクを張ることが効果的です。

Eコマースサイトの場合、人気商品のページには、関連カテゴリーページ、ブログ記事、ホームページなど、複数の場所から内部リンクを設置することで、そのページの重要性を強調できます。

また、長文のコンテンツや詳細な情報を含むページでは、より多くの内部リンクを自然に配置できます。これにより、ユーザーに関連情報を提供しつつ、サイト内の回遊性を高めることができます。

内部リンクの過剰設置を避ける方法

内部リンクの過剰設置を避けつつ、SEOとユーザー体験を最適化するためには、以下のアプローチが効果的です。

戦略的なリンク配置

各ページの目的や重要度に応じて、内部リンクを戦略的に配置します。例えば、サイトの中核となる重要なページには、より多くのページから内部リンクを張ることで、そのページの重要性をGoogleに明確に伝えることができます。

具体的には、サイトマップやメインナビゲーションを通じて、重要なカテゴリーページや主要なランディングページへのリンクを確保し、それらのページからさらに関連する下位ページへとリンクを張る構造を作ります。

コンテキストに基づいたリンキング

ユーザーの意図や文脈に沿った内部リンクの配置を心がけます。これは、単にキーワードにリンクを張るのではなく、ユーザーが次に必要とする可能性が高い情報へのリンクを提供することを意味します。

アンカーテキストの最適化

同じページ内で同じアンカーテキストを何度も使用することは避け、代わりに多様で説明的なアンカーテキストを使用します。これにより、Googleに対してリンク先ページの内容をより正確に伝えることができます。

例えば、「SEOツール」というアンカーテキストを複数回使用するのではなく、「無料SEO分析ツール」「高度なキーワード調査ツール」など、具体的で多様なアンカーテキストを使用することで、各リンク先の特徴を明確に伝えることができます。

内部リンクを優先的に貼るべきページは?

内部リンクを優先的に貼るべきページは以下の通りです。

コンバージョンに直結するページ

商品ページ、サービス紹介ページ、お問い合わせページなど、直接的な成果につながるページには優先的に内部リンクを貼ります。

例えば、ブログ記事内で関連する製品やサービスに触れた際、それらの詳細ページへのリンクを適切に配置します。SEOツールの使い方を説明する記事内であれば、自社のSEOツールサービスページへのリンクを戦略的に配置することで、潜在顧客をスムーズに誘導できます。

高品質なコンテンツを含むページ

詳細なガイド記事や、データに基づく分析レポートなど、サイトの権威性を示す高品質なコンテンツページへの内部リンクを増やします。

例えば、「SEOの完全ガイド2024年版」のような推しコンテンツがある場合、サイト内の関連する様々な記事やページからこのガイドへのリンクを貼ります。これにより、このガイドページの重要性をGoogleに伝えると同時に、ユーザーを価値の高い情報源へ誘導できます。

最新のコンテンツ

新しく公開されたコンテンツや、最近更新されたページへの内部リンクを積極的に設置します。これにより、これらのページの早期インデックスとランキング向上を促進できます。

新しいブログ記事を公開した際、関連する既存の記事に新記事へのリンクを追加します。また、ホームページやカテゴリーページの「最新情報」セクションに新記事へのリンクを表示することで、新コンテンツの可視性を高めることができます。

まとめ

この記事で紹介した戦略を適切に組み合わせることで、内部リンクの効果を最大化し、SEOパフォーマンスとユーザーエクスペリエンスの両方を向上させることが可能です。

ただし、常にユーザーファーストの姿勢を保ち、過剰な最適化や不自然なリンク配置を避けることが重要です。定期的にサイトの内部リンク構造を分析しましょう。ユーザーの行動データやSEOパフォーマンスに基づいて継続的に改善を行うことが、長期的な成功につながります。

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