URLとSEOの関係

2024年4月のGoogle SEO オフィスアワー(Google Search Centralの公式YouTubeチャンネル)で、あるサイト運営者からの「URL のキーワードをアンダースコアで区切るか、ハイフンで区切るかで本当に違いはありますか?」という質問が取り上げられました。新しいサイトを制作した際に、URLの命名ルールをどうするか迷ったことのある方は多いでしょう。いろいろ検討するのが面倒でワードプレスの記事IDをそのままURLにしている方もおられるのではないでしょうか?

上記質問にはGoogleゲイリー氏が動画の中で「URL のキーワードは、Google の検索結果でのページのランキングにはほとんど影響しません。ただ、区切りとして何を使うかは重要です。ハイフンがある意味適切と言えるのは、文字を区切っていることがはっきりわかるからです。」と答えています。

この答えは2つのポイントを含んでいます。

  • URLの中身は検索順位に(ほとんど)影響しない
  • (1にもかかわらず)どのように命名するかは重要

Googleらしい「わかりやすそうでわからない」回答と感じた方も多いかもしれません。

今回はURLがSEOに与える影響について、対検索エンジンと対ユーザーの2つの側面から説明します。

ウェブサイトのURLは、単なるウェブページのアドレスではありません。適切に設計されたURLは、検索エンジン最適化(SEO)に大きな影響を与えます。

URLの構造、キーワードの使用、読みやすさなどの要素が、検索エンジンのクロール効率、ユーザーエクスペリエンス、検索結果ページでのクリック率などに直結します。

検索エンジンにとってのURLの重要性

クロール効率の向上

世界中のサイトを巡回している検索エンジンのボットは、ウェブサイトのURLをたどってコンテンツをクロールし、インデックスを作成します。シンプルで階層的なURL構造は、ボットがサイト内を効率的に移動し、新しいページを発見しやすくします。

一方、複雑で長すぎるURL、動的パラメータの多用、URLの深すぎる階層などは、クロール効率を下げる要因となります。

例えば、以下のようなURLは、ランニングシューズが靴のサブカテゴリであり、製品の一部であることを示しています。

https://www.example.com/products/shoes/running-shoes

https://www.example.com/ - トップレベル: ドメイン

products/ - 第2レベル: 製品カテゴリ

shoes/ - 第3レベル: 靴のカテゴリ

running-shoes - 第4レベル: 特定の靴タイプ

一方、https://www.example.com/page.php?id=123&cat=456は複雑で、クロールしにくい構造です。

キーワードの関連性

URLにページの内容に関連するキーワードを含めることで、検索エンジンにページのテーマを明示できます。これは、そのキーワードでの検索順位向上につながる可能性があります。

ただし、キーワードを詰め込みすぎたり、不自然に繰り返したりするのは避けましょう。

例えば、https://www.example.com/seo-best-practicesは、SEOに関するページであることを明確に示しています。

モバイルファーストインデックスへの対応

Googleは、モバイル端末でのユーザーエクスペリエンスを重視し、モバイルフレンドリーなウェブサイトを優先的に評価する傾向にあります。

2024年7月5日以降は、パソコン用Googlebotによるクロールとインデックスを完全に終了することを公式に明言しています。

ですから、レスポンシブデザインの採用に加え、モバイル端末でも読みやすく、入力しやすいURLを設計することが重要です。

長すぎるURLや、たくさんのパラメータを含むURLは、モバイル端末での扱いが難しくなります。シンプルで簡潔なURLは、モバイルユーザーに取って扱いやすく、検索エンジンの評価にもプラスに働きます。

ユーザーにとってのURLの重要性

わかりやすさと予測可能性

明確で説明的なURLは、ユーザーがクリックする前にページの内容を予測できるように助けます。ユーザーは、検索目的にマッチしたページを見つけやすくなり、サイト内の移動がスムーズになります。

例えば、https://www.example.com/products/tshirts/redを見れば、赤いTシャツのページであることがはっきりわかるのではないでしょうか。

記憶に残りやすい構造

シンプルで簡潔なURLは、ユーザーが覚えやすく、共有しやすい利点があります。記憶に残るURLは、ダイレクトトラフィックの増加やリピートビジターの確保につながる可能性があります。

例えば、以下2つのURLはどちらが覚えやすいでしょうか?

  1. https://www.example.com/blog/seo-tips
  2. https://www.example.com/blog/article.php?id=123

明らかに1の方が2よりも覚えやすく、共有しやすいURLではないでしょうか。

クリック率への影響

検索結果ページに表示されるURL構造は、ユーザーのクリック率に直接影響します。関連キーワードを含む読みやすいURLは、ユーザーの興味を引き、クリック率の向上につながります。

また、パンくずリストやサイトリンクに表示されるURLも、ユーザーの行動に影響します。わかりやすいURLは、ユーザーがサイト内の他のページを探索するきっかけになります。

SEOに適したURLを設定する方法は?

シンプルで明確な構造

URLはできるだけシンプルで明確な構造を維持し、ページの内容を正確に反映するようにします。

不要な単語やパラメータ、記号などは避け、簡潔さを保ちましょう。

ハイフンの使用とアンダースコアの回避

単語の区切りにはハイフン(-)を使用し、アンダースコア(_)は避けるのが一般的です。Googleは、ハイフンを単語の区切りとして認識しますが、アンダースコアは単語の区切りとして扱わない可能性があります。

Googleも公式ガイドで以下のように説明しています。

URL では、ハイフンを使用して単語を区切ることを検討してください。それにより、ユーザーや検索エンジンが URL のコンセプトを理解しやすくなります。URL にはアンダースコア(_)ではなくハイフン(-)を使用することをおすすめします。

Google における URL 構造のベスト プラクティス

アンダースコアは絶対不可というわけではありませんが、単語の区切りを明確にして、URL内のキーワードをより明確に検索エンジンに伝えるためにはハイフンがベターです。

同じ理由で、単語をつなげることもGoogle公式ガイドでは非推奨です。

  • 良い例:https://www.example.com/seo-best-practices
  • 悪い例:https://www.example.com/seo_best_practices
  • 悪い例:https://www.example.com/seobestpractices

正直なところ、この差で明確な検索順位の差が生じるとは思えませんが、マナーやエチケットの類として覚えておけばよいでしょう。

適切な文字数(60文字以内)

URLの長さは60文字以内に抑えるのが理想的です。長すぎるURLは読みにくく、共有しにくいという問題があります。ただし、最大で75文字程度までは許容範囲と考えられています。

  • 良い例:https://www.example.com/blog/seo-tips-for-beginners(33文字)
  • 悪い例:https://www.example.com/blog/search-engine-optimization-tips-and-tricks-for-beginners-and-advanced-users(103文字)

キーワードを詰め込み過ぎない

URLには関連キーワードを含めますが、詰め込みすぎないように注意しましょう。1〜2個の主要キーワードを自然な形で配置するのが効果的です。キーワードは、URLの先頭に近い位置に配置するのが望ましいです。

  • 良い例:https://www.example.com/seo-best-practices
  • 悪い例:https://www.example.com/best-practices-for-search-engine-optimization-and-seo

不要な単語やパラメータの排除

URLからは冠詞(a, an, the)や前置詞(in, on, at)など不要な単語を取り除き、できるだけシンプルな構造を保ちます。また、動的パラメータやセッションIDなどもできる限り排除しましょう。これらの要素は、URLを複雑にし、クロール効率を下げる原因となります。

  • 良い例:https://www.example.com/blog/seo-tips
  • 悪い例:https://www.example.com/blog/article.php?id=123&sessionid=abc123

階層構造を複雑にしない

URLはウェブサイトのコンテンツ階層を反映するように設計します。カテゴリやサブカテゴリを適切に使用し、ページ間の関係性を明確に示しましょう。階層は深くなりすぎないように注意が必要です。一般的に、3、4階層までが適切とされています。

  • 良い例:https://www.example.com/products/shoes/running-shoes(4階層)
  • 悪い例:https://www.example.com/products/shoes/running/mens/nike/air-max(7階層)

まとめ

SEOに適したURLを設計することは、検索エンジンとユーザーの両方にとって重要です。シンプルで明確な構造、適切なキーワードの使用、モバイルフレンドリーな設計など、ベストプラクティスに沿ったURL設計を心がけましょう。

適切なURL設計は、SEO戦略の重要な一部です。初めは大変かもしれませんが、一度正しい構造を導入すれば、長期的なメリットを享受できます。ウェブサイトの規模や目的に合わせて、SEOに適したURLを設計し、検索エンジンとユーザーに最適化された体験を提供しましょう。

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