業種別のLLMO記事を17本書いて31クリック|半年分を実測した結果

自社サイトで、業種別のLLMO記事を出していました。歯科医院、工務店、葬儀社、学習塾、ゴルフ場と、業種ごとに1本ずつ並べていく形です。

考え方はシンプルでした。業種が違えば検索する人も違うのだから、業種ごとに書けば届くはずだ、と。

半年ほど経ったので、まとめて測ってみました。17本で、クリックは31回でした。

問い合わせは0件です。

数字を見た瞬間は、正直かなり落ち込みました。ただ、落ち込んだままにしておくのはもったいないので、なぜ外したのかを最後まで調べています。

結論から書くと、記事の中身の問題ではありませんでした。そもそも、その言葉で検索している人がいなかったのです。

しかも調べていくうちに、もっと痛いことが分かりました。人が来ている場所には、半年前に自分たちで作ったページがすでに置いてあったのです。

この記事のポイント

□ 業種別のLLMO記事17本で、半年のクリックは31回でした
□ 検索順位は取れていました。表示される回数が無かったのです
□ 「業種名+LLMO」の検索は、16か月で191回しかありませんでした
□ 検索されていたのは業種ではなく、費用とツールでした
□ そこには自社のページがすでにあり、伸ばさないまま17本を足していました
□ 打ち手を4つに決め、90日後に同じ数字で続きを出します

業種ごとに1本ずつ、17本出しました

公開したのは2026年2月から7月にかけてです。ほぼ月3本のペースで積み上げていきました。

対象にした業種は次のとおりです。外壁塗装、ホテル・旅館、接骨院、工務店、不用品回収、葬儀社、歯科医院、ブライダル、動物病院、予備校、学習塾、ゴルフ場、介護施設、非店舗型ビジネス、弁護士事務所、クリニック、ハウスクリーニング。

どれも「◯◯のLLMO対策とは?」という形です。中身の構成も似せてありました。

量産できる形にしたのは、意図的です。1本の型ができれば、業種を差し替えるだけで横に広げられると考えていました。

半年たって、まとめて測りました

Search ConsoleとGA4を、16か月分さかのぼって集計しています。結果はこちらです。

測った項目 業種別LLMO記事 17本の合計
クリック 31回
表示回数 2,977回
オーガニックのセッション 60
問い合わせなどのキーイベント 0件
1本あたりの平均クリック 1.8回

17本のうち、7本はクリックが0回でした。1本は表示すらされていません。

「まだ公開して日が浅いからでは」と思いたくなります。そこで、公開から3か月がそろっている11本だけで測り直しました。

その11本の3か月合計は、12クリックです。1本あたり1.1回でした。時間の問題ではなさそうです。

順位は取れていました。表示が無かったのです

最初に疑ったのは、検索順位です。上位に出ていないから読まれないのだろう、と考えました。

ところが、調べてみると逆でした。

記事 平均掲載順位 表示回数 クリック
ブライダル業界 6.8位 17回 0回
動物病院 6.7位 23回 0回
予備校 6.8位 29回 1回
弁護士事務所 10.2位 16回 0回

6位から10位に出ています。順位としては悪くありません。

問題は右の列でした。半年で17回しか表示されていないのです。1位を取ったとしても、17人の目にしか触れません。

順位を上げる話ではありませんでした。そこに人が来ていない、というだけの話です。

「業種名+LLMO」を検索する人が、ほとんどいませんでした

では、実際にどんな言葉で検索されているのか。16か月分のクエリを全部出して、業種名の入ったものを抜き出しました。

検索された言葉 表示回数 クリック
歯科 llmo 133回 0回
歯科 llmo対策 25回 0回
歯科医院のllmo対策で作るべきfaqは? 10回 0回
クリニック llmo 7回 0回
外壁塗装 llmo 3回 0回
そのほか5語 13回 0回
合計(10語) 191回 0回

16か月で、10種類、191回です。しかもクリックは1回もありません。

17業種のうち、検索の記録が残っていたのは3業種だけでした。動物病院も、ゴルフ場も、学習塾も、誰もその組み合わせでは検索していなかったのです。

「業種が違えば検索する人も違う」という前提は、正しかったと思います。ただ、だからといって業種名で検索するとは限りませんでした。

ここが読み違いでした。業種の違いは、検索する言葉ではなく、記事を読んだあとの判断に出るのだと思います。

検索されていたのは、費用とツールでした

同じデータから、LLMOを含む検索語を326種類ぜんぶ拾い、意図別にまとめ直しました。

探していること 語の数 表示回数 クリック
ツール・診断 51種 6,231回 28回
費用・相場 19種 4,322回 23回
会社・依頼先 112種 3,066回 9回
意味・やり方 47種 813回 3回
そのほか 97種 2,932回 23回

いちばん下から2番目の行を見てください。「意味・やり方」が813回です。

この17本が書いていたのは、まさにその「意味・やり方」でした。いちばん検索されていない場所に、17本を積んでいたことになります。

需要があったのは上の2行です。ツールと費用で、合わせて1万回を超えていました。

言われてみれば当たり前かもしれません。LLMOという言葉を知った人が次に調べるのは、いくらかかるのか、何を使えばいいのか、です。

いちばん痛かったのは、受け皿がすでにあったことです

ここまでなら「需要を読み違えた」で終わる話でした。ところが、その先がありました。

費用やツールで検索されたとき、実際にどのページが表示されているのかを調べたのです。

次の表は、16か月の合計と平均です。

ページ 公開 表示回数 平均順位 クリック率
LLMO対策の費用相場 2025年10月 13,182回 8.3位 0.43%
LLMOツール18選 2025年10月 13,703回 23.8位 0.56%
LLMO実力診断チェックリスト 2025年10月 2,291回 13.4位 1.00%
LLMOコンサルティングとは 2025年11月 2,866回 31.2位 0.07%

公開日を見てください。2025年の10月と11月です。

需要のある場所には、業種別記事を書き始める4か月前から、自分たちのページが置いてありました。

この4ページだけで、表示回数は3万2千回を超えています。業種別17本の合計2,977回の、10倍を超える人が来ていました。

それなのに、ツールのページは23.8位、コンサルティングのページは31.2位のままです。半年のあいだ、ほとんど手を入れていませんでした。

しかも直近90日で測り直すと、4ページとも順位が下がっていました。ツールは32.1位、コンサルティングは42.0位です。

放っておくと下がる、というだけの話でした。

やるべきだったのは、新しく17本書くことではなかったのだと思います。すでに人が来ているページを、上げることでした。

伸びている記事と、何が違ったのか

同じサイトの中で、読まれている記事も並べてみました。

記事 クリック 表示回数
ChatGPTのスクレイピングを扱った記事 1,016回 45,866回
llms.txtを扱った記事(7ページ) 523回 17,413回
Googleマップの偽口コミを扱った記事 480回 26,211回
業種別LLMO記事(17本) 31回 2,977回

違いははっきりしています。伸びている記事は、業種で切っていません。

どれも「1つの出来事」や「1つの仕組み」を掘り下げたものでした。llms.txtの記事にいたっては、書き方・設定・エラー・最適化と、1つのテーマを7ページに分けています。

業種で切ると、記事の本数は増えます。ただ、1本あたりの読者はその分だけ薄くなっていました。

同じ時期の比較もしておきます。2026年1月末に、業種で切らずにサイテーションを扱った記事を1本出していました。公開から3か月で19クリックです。

業種別のほうは、11本合わせて3か月で12クリックでした。1本が11本を上回っています。

分かったことを3つにまとめます

1つめ。順位より先に、表示回数を見る。

今回いちばん効いた指標がこれでした。6位に入っていても、表示が17回なら誰も来ません。順位はあくまで「表示された中での位置」です。

2つめ。検索は業種ではなく、買う手前の言葉で立つ。

費用、相場、ツール、診断。この4つで1万回を超えていました。業種名との組み合わせは191回です。50倍以上の差がありました。

3つめ。新しく作る前に、すでにあるものを数える。

これがいちばん痛い教訓でした。受け皿は半年前からあったのに、その存在を計算に入れないまま17本を足しています。手元の在庫を見ずに発注していたようなものです。

やることを4つに決めました

調べて終わりにすると、また同じことをやります。打ち手を4つに絞って、順番まで決めました。

打ち手1|すでに表示がある4ページを上げる(最優先)

費用・ツール・診断・コンサルティングの4ページです。合計3万2千回の表示があり、そのうち2ページは20位より下にいます。

新しく書くより、ここを動かすほうが早いはずです。まずタイトルとリード、比較表を検索意図に合わせて直します。

打ち手2|業種別17本を、受け皿への入口にする

17本には消すほどの害はありません。表示は2,977回あります。

ただ、行き止まりになっていました。費用・ツール・診断のページへ内部リンクを張り、通り道として使います。

打ち手3|業種別テンプレートの量産を止める

すでに止めました。同じ型で18本目を書かない、という決定です。

業種の話は、記事の入口ではなく、記事の中の具体例として使います。

打ち手4|書く前に通す4つのチェックを、社内標準に入れる

忘れないよう、判断基準そのものを標準の文書へ入れました。

チェック 基準
その語は検索されているか 3か月の表示が100回未満なら書かない
どの言葉から入るか 業種ではなく、費用・相場・ツール・診断・比較
新規と改修のどちらが先か 20位以内でクリック率1%未満のページがあるなら、改修が先
何を成果とするか 引用された数ではなく、流入・指名検索・問い合わせ

3つめは、今回いちばん効きそうなものです。新しく書きたくなったときに、まず既存を疑うという順番を強制します。

成功と失敗の線を、先に引いておきます

あとから基準を動かせてしまうと、検証になりません。数字を先に置いておきます。

比較の起点は、直近90日(2026年5月12日〜8月10日)の実測値です。

測るもの いまの数字 90日後の合格ライン
取りこぼしていた14語のクリック 9回 30回以上
同じ14語のクリック率 0.29% 1.0%以上
LLMO関連の検索からの表示 6,121回 維持または増加
4ページの平均順位 10.0位/32.1位/18.2位/42.0位 4ページすべて20位以内

ここに届かなければ失敗です。そのときは、原因の見立てが違ったことになります。

実は、もう1つ気になっている数字があります。このサイトは1位から2位に入っていても、クリック率が5.11%しかありません。

一般に言われる1位のクリック率は、その数倍です。順位を上げてもクリックにならない何かが起きている可能性があります。

AI検索の要約が上に出ているせいかもしれません。ただ、これはまだ仮説です。打ち手1で順位が上がったときに、クリックがついてくるかどうかで確かめます。

90日後に、同じ数字で続きを出します

この記事は、ここで終わりにしません。

2026年11月11日に、上の表とまったく同じ項目を測り直します。そして結果を、この記事の続きとして公開する予定です。

上がっていれば、何が効いたのかを書きます。上がらなかった場合は、外れた理由のほうを書くことになります。どちらでも出します。

失敗したときだけ黙る、というのが、いちばん学びが残らないやり方だと思っています。

まだ測れていないこと

最後に、分かっていないことも書いておきます。

この17本のキーイベントは0件でしたが、サイト全体でも16か月で121件しかありません。記事ごとの問い合わせ貢献を判定するには、そもそもデータが足りていない状態です。

「クリックが少なかった」までは言えますが、「だから売上に効かなかった」とまでは言えません。計測の設計そのものが、次の課題として残っています。

ひとまず、感覚で「LLMO記事を増やそう」と言っていた状態からは抜けられました。数えてみるものだな、というのが正直な感想です。

この検証の記事

LLMOの需要検証として、同じ指標で測り続けた記録です。

  1. 1. 業種別のLLMO記事17本を測ったら、クリックは31回だった(この記事)
  2. 2. 打ち手を4つ打った90日後、数字はどう動いたか(2026年11月11日 公開予定)
  3. 3. 見出しの階層を直したら、AI検索と順位はどう動いたか(2026-11-11 公開予定)