ゴルフダイジェスト社発行【ゴルフ場セミナー】11月号に掲載頂きました

平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
この度、ゴルフダイジェスト社発行『ゴルフ場セミナー』にて、テーマ「冬の閑散期を克服する営業戦略」の取材を受けましたのでお知らせいたします。

『ゴルフ場セミナー』について

ゴルフ場の経営・運営・管理の「コンサルティングマガジン」を目指し、ゴルフ場の構造改革指針はもちろん、集客、収益、そして預託金問題など、現場第一主義の編集を心がけています。

取材テーマ『閑散期を克服冬季営業戦略』について

コロナ禍での好影響もあって、ゴルフ場は盛況だが、間もなくゴルフシーズンが終わり、冬の閑散期を迎える。現在の好調をキープしてオフシーズンも確実に集客するにはどうすればよいのか。3名の専門家に話を聞いた。

掲載内容について

コースにあった企画と情報で訴求HPとSNSで独自のWEB集客システムの構築を

インターネットが身近になり、ゴルフ場に限らず、ホテル・旅館や飲食店など多くのサービス業、さらには医業、士業まで、ポータルサイトを活用して集客(予約受付)を行っている。利用意欲の高い人がサイトに訪れ目的やニーズに合った施設を選んで予約できるので、上手く活用すれば多くの集客が見込める。多くの人が閲覧するポータルサイトは、集客活動に欠かせないツールとなっている。

一方、ポータルサイト内に表示される表示順位は、ポータルサイト独自のアルゴリズムによって決まるため、真っ先に顧客の目に触れるよう自社の情報を上位に表示させたくても、どうすることもできない。人の心理として下位の表示は”人気がない””評価が低い”と思いがちだし、自社の情報を見てもらう前に他社に決まってしまう可能性もある。

そうしたリスクを補うため、SNSやYouTubeなど情報発信ツールの普及を背景に、それらを活用して独自にWEB集客を行う企業が増えている。ゴルフ場もポータルサイトに頼るだけでなく、SNSやYouTubeなどを上手く活用してWEB集客に取り組んではいかがだろう。具体的に何をすればよいのか解説しよう。

WEB集客で大切なのはHP充実と情報発信の鮮度

ほとんどのゴルフ場が自社ホームページ(HP)を持っていると思うが、これをWEB集客に活用しない手はない。つまり、ゴルファーを自社HPに誘導して予約してもらう流れを構築すのである。ここでの大事なポイントは2つ。1つはHPのコンテンツの強化。もう1つは鮮度の高い情報発信。それらにフィットするのがSNSである。

すでにツイッターやFacebookを使って情報を発信しているゴルフ場が増えているが、いずれもイベントや割引キャンペーンの案内がメインであり、そこで話が完結している。案内された期間に利用できるかどうかで、関心がなければそこで終わりってしまう。わざわざHPを見ようとは思わないだろう。

SNSはHPに誘導する導線と位置づけて活用したい。SNSの情報だけで予約に繋がればよいが、そうでない人を「詳しくはHPへ」と誘って予約へと繋がるよう顧客の動きを作ることが大切である(HPには予約機能をつけておきたい)。

当然、HPには「詳しく知りたい」と訪れたゴルファーをワクワクさせる情報が必要となる。イベントを案内して参加を促すなら、どのようなイベントなのか、どんな楽しいことがあるのかイメージできるようにすること。また、多くのゴルファーはよいスコアで気持ちよくプレーしたいと思っているので、どのようなコースでどんな体験ができるのかを伝え、行ったことのない人に「今度行ってみよう」と思わせるコンテンツがHPに必要となる。

そして絶対に欠かせないのが、スマートフォン対応のHPだ。ゴルフ場はまだ少ないように思う。画面が小さいだけに、コンテンツが見やすい配置になっていて、顧客が見たい情報やぜひ見てもらいたい情報がすぐに分かるようにしておきたい。

また、SNSに慣れているからと若い従業員に任せるのではなく、誰にどのような情報を発信して、どのようにHPや予約に繋げるのか。支配人や営業の責任者が、プレープランづくりも含めて、WEB集客の流れをきちんと設計することが重要だ。

さて、ゴルファーを惹きつけワクワクさせる情報を発信するためにも、これからはInstagramや、できればYouTubeをも活用してもらいたい。どのようなゴルフ場なのかを知ってもらうには、写真や動画でアピールしたほうがが分かりやすい。

YouTubeはコンテンツを考えたり、動画の編集作業が必要なので自社で制作するのはハードルが高いと思うだろう。だが、芸能人やレッスンプロ、堀川未来夢選手などのツアープロもゴルフに関する動画をYouTubeチャンネルに上げており、それらを視聴するゴルファーは少なくない。堀川未来夢の動画(トーナメントの練習ラウンドで、キーとなるホールの攻略法を実演・説明している)のように、自ゴルフ場の名物難ホールの攻略法を動画にまとめてYouTubeに投稿すれば、「今度試しに行ってみよう」と関心を持つゴルファーは多いのではないだろうか。ゴルフは老若男女がプレーするので、レベル別に攻略の仕方の動画を作っても面白いと思う。YouTube動画のリンクをホームページに貼れば、サイトの充実にもなる。

また、InstagramとYouTubeは、インスタグラマーやユーチューバーとコラボできる可能性もある。彼らがゴルフ場を気に入れば、どんどん情報を拡散してもらえるので、活用をぜひ検討してもらいたい。

とはいえ、SNSで情報を発信するには”何を伝えるのか”というコンテンツ作りのほかに、発信する相手”フォロワー”が必要だ。最初は、なかなかフォロワーを獲得できないかもしれないが、まずは来場した顧客に登録してもらい「見込み客リスト」を作ろう。そして、割引等で来場を促す情報を発信するにしても、その顧客リストから確度の高い人を選び、その人たちが関心を持つ情報を発信する。たとえば、利用履歴からスタート前に時間をかけて練習する人を選んで「プロの1ポイントラウンドレッスン」を案内するというように、カテゴライズした顧客リストと合わせてペルソナを作って企画を考え、単なる案内ではなくその人たちがワクワクする情報を発信する。顧客に寄り添った企画や情報のコンテンツを考えてアピールすることが大切だ。それを繰り返すことで、見込み客が顧客に、顧客がロイヤルカスタマーへと進化していく。

WEB広告を活用し閑散期も集客を確実に

「SNSで情報発信を始めたがすぐに効果が出ない」といった声をよく聞くが、フォロワーの獲得や来たことのない人にゴルフ場を知ってもらうには、ある程度時間がかかると認識してほしい。すぐに効果を求めず、地道にコツコツとやりつづることが重要だ。感染リスクの低いレジャーとゴルフの人気が高まっている今こそだからこそ、先を見据えてポータルサイトに頼らないWEB集客の仕組みを構築していただきたい。

また、顧客に響くコンテンツ作りと情報発信にはタイミングが大切で、美容業界ではシーズンを先取りした企画とアプローチで確実に集客繋げている。春には「夏に向けてダイエット」と銘打ち、コロナ禍でマスク必須になったら口の周りをケアするプランを企画し、HPの更新はもちろん、SNSでタイムリーに情報を発信し訴求している。ゴルフ場は3カ月前から予約を受け付けているが、美容業界のWEB集客の手法は参考になるのではないだろうか。

さて、肝心の今冬の集客についてだが、前述したとおり、SNSとHPを活用してゴルファーの関心を惹く情報を発信することはもちろんのこと、閑散期だからこそ、確実に集客するためにGoogleとFacebookFacebook(InstagramInstagramにも同時投稿可)にWEB広告を出すことをお勧めしたい。ゴルフに興味・関心がある利用者に広告を配信するようにシステムが構築されている。

さらにFacebookは、広告を誰に見せるのか、年齢や性別、地域、趣味嗜好など細かく設定できるので、「○○県に住むゴルフが好きな30〜40代男性」というようにターゲット設定して広告を打つことができる。費用については、「1日の広告予算は2,000円」とか、「11月1日〜12月15日までで予算は上限3万円」というように設定できる。反応をみて広告配信期間や予算を増やすこともできるので、まずは試してみてはどうだろう。閑散期は顧客の取り合いになるので、動いているゴルファーにアプローチすることが重要だ。

また、閑散期を利用し、ゴルフ界で有名な人を招待してラウンドしてもらい、「○○さんがプレーを楽しみました」と情報を発信すれば(了解を得ることが必要だが)、興味を持ってもらいやすい。芸能人やプロでなくても、フォロファーが多いインスタグラマーやユーチューバーでよい。彼ら主催のイベントやコンペを開催しい、その様子や感想を発信してもらえれば大いに宣伝になる。

ゴルフ場で次回に利用できる割引券をもらうことがあるが、同じ渡すならプレー後ではなく、予約の段階で「2カ月有効5,000円割引券付き」と銘打ってプランを出してはどうだろう。そして、プレー頻度の高い人にその情報を発信する。これはエステの回数券と同じ発想で、”次回は5,000円割引なら1回当たりのプレー代が安い”とお得感を感じてもらえる。割引券期限があるため、使われないこともあるそうだ。

いずれにせよ、ターゲットとするゴルファーが行きたくなる企画と情報のコンテンツを考え、早期にアプローチしていくことが大切である。閑散期となる冬季も今の集客の好調を継続するために、ぜひ実践してもらいたい。