セマンティックHTMLはページ評価に影響あるの?

Does semantic HTML help Search identify and evaluate content?
先日、Google公式のSEO解説YouTubeチャンネル「Google Search Central」に以下の動画がアップされました。タイトルは「セマンティックHTMLはページ評価に影響あるの?」です。

「セマンティックHTML」、初めて聞く言葉かもしれませんね。SEO業者の営業が「弊社はセマンティックHTMLに強みがあります」などと、それっぽく使っていることもあります。「何それ?」「また新しい用語?」と心配になる方も多いかもしれませんが、心配いりません。「セマンティックHTML」は専門的な言葉ではありますが、難しく考える必要はありません。それは、ウェブサイトが検索エンジンにより良く理解され、そしてユーザーに最適な結果を提供するための手法です。

今回のメールで、セマンティックHTMLとは何か?どんな効果があるか?どのように簡単に自社サイトに実装するか説明します。セマンティックSEOの基本を理解し、自分のウェブサイトをよりよく検索エンジンに理解させ、より多くの訪問者を引き寄せるための具体的な手法を学ぶことができます。

セマンティックHTMLとは?

セマンティックHTMLとは、ウェブページの構造を検索エンジンに伝わりやすく表現するHTMLの書き方を指します。でも「検索エンジンに伝わりやすい」とはどういう意味でしょうか?私たち人間が文章を書くとき、文章の中の目立たせたい部分や見出しの字を大きくしたり、色を変えたりして、ここが文章のポイントであることを示します。同じように、コンピュータープログラムである検索エンジンに対して、コンピューターに記事のポイントや要旨を示すための手法がセマンティックHTMLです。

具体的には、見出しタグ(h1〜h6)、段落タグ(p)、リンクタグ(a)など、各HTMLタグが持つ意味を理解し、それぞれ適切な場所で使用することで、ウェブページの構造や内容を検索エンジンやユーザーに対して明示的に示すことが可能となります。

セマンティックHTMLはSEOで重要?

今回紹介しているGoogle公式YouTubeチャンネルでも、Googleエンジニアのジョンミューラー氏はセマンティックHTMLが大切なことを伝えています。

「はい、セマンティック HTML はページを理解するのを助けます。しかしながら、ウェブサイトのランクを上げるための魔法ではないことに注意してください。」

セマンティックHTMLはこのSEOを強化する上で欠かせない要素となりますが、その理由を詳しく見ていきましょう。

クローラーがページの理解をしやすくなる

まず、セマンティックHTMLは検索エンジンの「クローラー」(ウェブ上の情報を読み取るロボット)がWebページの内容を理解するのを助けます。クローラーはウェブページのHTMLを読み取り、それが何についてのページなのか理解します。

セマンティックHTMLを使うと、各部分が何を意味するのかを正確にクローラーに伝えることができ、ウェブサイトの内容が正確にインデックス(検索エンジンが情報を整理するプロセス)されます。

ユーザーエクスペリエンスの向上

次に、セマンティックHTMLは「ユーザーエクスペリエンス」の向上にも寄与します。これは、ウェブサイトを訪れた人々がより良い体験をすることを意味します。

具体的には、視覚障害者がスクリーンリーダー(画面読み上げソフト)を使用する際に、セマンティックHTMLによって内容が正確に伝えられ、ウェブサイトの使いやすさが向上します。このような使いやすさは、検索エンジンがサイトのランキングを決める要素の一つとなります。

検索結果の表示改善

最後に、セマンティックHTMLは検索結果の表示を改善します。例えば、ページの見出しを表すh1タグや、重要なキーワードを含むメタタグなどは、検索結果に表示されます。適切にセマンティックHTMLを用いることで、検索ユーザーが求めている情報が検索結果ページに的確に表示され、サイトへのクリックを促すことが可能になります。

セマンティックHTMLの具体的な使い方

さて、セマンティックHTMLの重要性については理解していただけたと思います。では次に、それをどのように具体的に活用すれば良いのかわかりやすく解説します。

キーワードの適切な使用

セマンティックHTMLでは、キーワードを適切に使うことが求められます。キーワードとは、ユーザーが検索エンジンで入力する言葉です。キーワードを適切に使うことで、検索エンジンがあなたのウェブサイトを正しく理解し、適切な検索結果として表示することができます。

具体的には、ヘディングタグ(例えば、H1やH2)やパラグラフの初めの方にキーワードを配置することが推奨されます。

構造化データの活用

次に、セマンティックHTMLでは構造化データの活用が重要です。構造化データとは、ある情報が何を意味するのかを検索エンジンに教えるためのデータです。

例えば、「レビューの星の数」や「製品の価格」などの情報を、検索エンジンが理解できる形式で提供することが可能です。これにより、検索結果ページでリッチスニペット(通常とは別枠の結果表示)として表示され、ユーザー体験が向上します。

メタタグを用いた情報の追加

メタタグは、ウェブページのメタデータ(データのデータ)を提供します。これは、ページの説明、キーワード、著者など、ページの内容を要約する情報を検索エンジンに伝えます。これらの情報は、検索エンジンの結果ページに表示され、ユーザーがクリックするかどうかを決定する重要な要素になります。

コンテンツの品質

セマンティックHTMLの使用方法において重要な点の一つは、コンテンツの品質を確保することです。低品質記事の内容をいくらセマンティックHTMLで検索エンジンに伝えても意味がありません。セマンティックHTMLの肝は、きっちり作られた記事内容を的確に検索エンジンに伝えることです。ウェブページの内容が高品質であればあるほど、そのページは検索エンジンによって高く評価されます。

具体的には、提供する情報が正確で、読者にとって有益で、しかも独自の視点や分析を含むことが求められます。また、テキストの読みやすさも重要で、明確で簡潔な文体を心掛け、専門用語は最初にその定義を説明するなどして、どんな読者にも理解できるようにすることが大切です。

ユーザーエクスペリエンスの最適化

最後に、セマンティックHTMLはユーザーエクスペリエンスの最適化にも役立ちます。検索エンジンは、ユーザーがウェブサイトに滞在し続けるかどうかを評価するため、使いやすさを重視します。

ウェブページが構造的に整理され、情報が容易に探せるようになってユーザーの利便性を高める要素はすべてSEOに寄与します。

セマンティックHTMLで注意すべきこと

セマンティックHTMLを使用する際には、いくつかの注意点があります。

過度なセマンティックHTMLの利用

セマンティックHTMLは便利でSEOに有効ですが、その使用は適切な範囲内に留めるべきです。過度にセマンティックタグを使用すると、以下のリスクがあります。

● ページの読み込み速度が遅くなる
● コードのメンテナンスが困難になる

基本的には、ページの主要な構造を明確にするために必要なタグのみを使用し、その他の部分はシンプルに保つことを心がけましょう。

ブラウザ間の互換性問題

セマンティックHTMLを使用する際には、異なるブラウザ間での互換性も考慮する必要があります。特に新しいHTML5のセマンティックタグ(例えば、articleやsectionなど)は、古いブラウザでは正しく認識されない可能性があります。

そのため、全てのユーザーに適切な体験を提供するためには、ウェブページが異なるブラウザでも適切に機能することを確認することが重要です。これを確認する一つの方法は、クロスブラウザテストツールを使用することです。

まとめ

セマンティックHTMLは、一時期SEOコンサルの間でもバズワード、キラーワードとして盛んに使われました。しかし、実はごくごく基本のSEO戦略を包括的に説明しているだけの用語です。

最近はAIによる自然言語解析技術を使って、Webページのコンテンツをより正確に理解できるようになっています。もしかすると、数年後には、現在のセマンティックHTMLで重要視される詳細手法はまったく不要になるかもしれません。それくらいSEO業界の移り変わりは速いものです。それでも、検索エンジンと読み手に明確に要点と構造を伝えるというセマンティックHTMLの概念は変わらないでしょう。

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