監視ジョブ13回すべて未確認、合格と書けない理由

期待していたのは「合格か不合格かが自動で記録に残る」こと

自動処理を人間が見なくても回る状態にするには、処理そのものが動くだけでは足りません。動いた結果が正しかったのかどうかを、人間に代わって判定する仕組みが要ります。その役割を持つのが、ここで扱う監視ジョブです。

設計上の期待は単純でした。自動処理が走るたびに監視ジョブも走り、結果を合格か不合格のどちらかに分類してログへ書く。人間は不合格だけを見る。合格のほうは読まなくていい。そこまで行ってはじめて「人間が確認しなくても回る」と言えます。

実際の記録は、その期待どおりにはなりませんでした。

14日間の実行ログで実際に起きたこと

見た期間は14日間(2026-10-21〜2026-11-03)。対象は実行結果を一行ずつ追記しているジョブ状態ログで、監視ジョブの実行レコードだけを抜き出して、結果の区分ごとに数えました。

見た期間 14日(2026-10-21〜2026-11-03)
この自動処理が動いた回数 13回
未確認だった回数 13回
合格だった回数 0回
落ちた回数 0回
未確認だった割合 100.0%
最後に未確認になった時刻 2026-11-02T23:10

監視ジョブ自体は止まっていません。13回ぶん、きちんと起動した記録が残っています。起動はしている。けれども、そのすべてが未確認で終わっている。合格が0回で、落ちたのも0回。未確認の割合は100.0%です。

最後に未確認の記録が付いたのは2026-11-02T23:10。期間の終わりまで、この状態は変わっていません。

なぜ合格とも不合格とも言えないのか

ログに残っている、確かめられない理由はひとつだけです。読み戻した証拠が出ていません。

監視ジョブは、処理が書き込んだはずの結果をあとから読み戻して、中身が期待どおりかを突き合わせる手順になっています。ところが、その読み戻しを実際におこなった痕跡がログに出力されていない。突き合わせる材料が記録に無いので、判定する側は合格の印も不合格の印も付けられず、未確認という区分のままレコードを閉じています。

ここで分けて考える必要があるのは、次のふたつです。

  • 処理の結果が間違っていたから未確認になっているのか
  • 結果の良し悪しとは関係なく、判定に使う証拠が記録されていないから未確認になっているのか

ログから言えるのは後者だけです。落ちた回数が0回であることは、「処理が正しかった」という意味ではありません。不合格と判定する材料も同じく無いので、不合格が立たなかっただけです。合格0回と不合格0回は、同じひとつの原因から出ています。

だから、この13回は正常とは書きません。異常とも書きません。確かめていないものを正常の側に寄せて数えた時点で、監視の意味が消えます。未確認は未確認のまま、13回として置いておきます。

まだ直っていない

この原稿を書いている時点で、読み戻し証拠のログ出力は実装していません。つまり原因は分かっていますが、直っていません。

やることは決まっています。

  1. 監視ジョブに、読み戻した内容を証拠としてログへ出力する処理を実装する
  2. 同じ監視ジョブを再実行する
  3. 結果が合格・不合格のどちらかに分類されて記録されるかを確認する

再実行して合格が立つようになったとして、それは「処理が正しかったことが分かった」という意味です。逆に不合格が立てば、これまで未確認に埋もれていた不具合が表に出たということになります。どちらに転ぶかは、実装して走らせるまで分かりません。期間中の13回について遡って判定し直せるわけでもありません。

人間の仕事は減っていない

監視ジョブが13回動いたこと自体は、人間が13回ログを開く手間を省いた、とは言えません。未確認で返ってきた以上、結果を見る人間は結局そのジョブが扱った処理の中身を自分で確かめるしかないからです。判定が未確認で止まっている限り、監視は人間の確認を代替していません。

これは自動化であって、自動運転ではありません。起動のスケジューリングと実行は自動で回っています。しかし「人が見なくてよい」と言える根拠を出す部分が欠けていて、そこに人の手が残っています。残っているので、残っていると書きます。

自動運転に向けて必要なのは、処理を増やすことではなく、処理が自分の仕事の結果を証拠として残すことでした。証拠が無い自動処理は、動いた回数が増えるほど「確かめられていないもの」が積み上がるだけになります。13回という回数は、うまく回った回数ではなく、判定を保留したまま通過した回数です。

次に測ること

読み戻し証拠のログ出力を実装したうえで、同じ監視ジョブを再実行します。見るのは実行回数ではなく、結果の区分です。合格と不合格のどちらかに分類されたレコードが記録に残るかどうか。未確認の割合が100.0%から動くかどうか。

動かなければ、原因の読みが外れていたということです。そのときはそのときで、外れた記録として書きます。