整骨院・接骨院のマーケティング戦略とは？集客に困ったときの実践方法解説！

整骨院・接骨院の経営において、「集客」は常に重要な課題ですよね。しかし、十分な効果が得られないと感じている方も少なくないのではないでしょうか。

実は、集客よりも重要なのが「マーケティング」なのです。マーケティングとは、単に患者さんを集めるだけでなく患者さんとの長期的な信頼関係を築いていくことを指します。

しかし、マーケティングと聞くと、「難しそう」「自院には関係ない」と感じる方もいるかもしれません。

本記事では、整骨院・接骨院経営に特化したマーケティングの基本概念から、デジタルマーケティングやペルソナマーケティング、地域密着型マーケティングなど、具体的な手法までを詳しく解説します。

マーケティングの専門家である私が、わかりやすく、実践的なノウハウをお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

弊社スリードットが展開する接骨院・整骨院に特化した集客コンサルティングについてこちらの記事で説明していますので併せてご覧ください。

整骨院・接骨院のマーケティングとは？

整骨院・接骨院にとってのマーケティングとは、顧客のニーズを深く理解し、それに合わせたサービスを提供することで、長期的な信頼関係を築くプロセスです。つまり、一時的な集客ではなく、継続的な患者との関係性の構築こそがマーケティングの核心なのです。

患者一人ひとりに寄り添い、その悩みや期待を真摯に受け止めること。そして、それに基づいて最適な治療プランを提案し、丁寧にコミュニケーションを取ること。これこそが、整骨院・接骨院のマーケティングの本質なのです。

マーケティングと集客はどう異なるか

マーケティングと集客は、しばしば混同されがちですが、明確に区別すべき概念です。集客とは、あくまで新規の顧客を獲得することに主眼を置いた活動です。チラシの配布やWebでの広告掲載など、いかに多くの人に来院してもらうかに注力します。

一方、マーケティングは集客だけでなく、獲得した顧客との長期的な関係構築までを視野に入れます。具体的には、ターゲットとなる顧客層を明確にし、そのニーズを的確に捉えた上で、自院の強みを活かしたサービスを提供することです。

また、既存患者の満足度を高め、リピーターや口コミによる新規患者の獲得にもつなげていきます。

集客は新規顧客の獲得という「点」の活動であるのに対し、マーケティングは顧客との関係構築という「線」の活動と言えるでしょう。

整骨院・接骨院特有のマーケティング課題

整骨院・接骨院のマーケティングには、他の業種にはない特有の課題があります。まず挙げられるのが、治療の効果が目に見えにくいという点です。

例えば、飲食店であれば料理の味や接客の良し悪しがすぐに判断できますが、整骨院での施術の効果は時間を要することが多く、患者にとってすぐには分かりづらいのが実情です。

また、痛みや不調といった悩みは人によって千差万別で、必ずしも目に見える形で現れるわけではありません。この痛みや不安といった感情面にいかに寄り添えるかも、整骨院・接骨院のマーケティングにおいて重要な課題と言えます。

整骨院・接骨院で成功を収めるマーケティング戦略の要素

整骨院・接骨院で成功を収めるためには、効果的なマーケティング戦略が不可欠です。そのためには、いくつかの重要な要素を理解し、それらを組み合わせて実践していく必要があります。ここでは、その中でも特に重要な5つの要素について詳しく解説します。

ターゲット市場の特定と理解

整骨院・接骨院のマーケティングにおいて、まず取り組むべきは、ターゲット市場を明確に特定し、理解することです。自院がどのような患者層にアプローチするのかを決定し、その属性やニーズ、行動パターンなどを徹底的に分析することが重要です。

属性とニーズ

例えば、ターゲットを「腰痛に悩むオフィスワーカーの30代男性」と設定したとします。この場合、ターゲットの属性とニーズとして以下が考えられます。

ターゲットの属性	ターゲットのニーズ
長時間のデスクワーク 運動不足 ストレスを抱えている	痛みの緩和 再発防止のためのアドバイス リラックスできる施術環境

上記のように、ターゲット層を具体的にイメージし、その実像を深く理解することが、効果的なマーケティング戦略の第一歩となります。そのためには、以下のような直接患者の声に耳を傾ける取り組みが欠かせません。

• 患者アンケートの実施
• カウンセリングでのヒアリング

行動パターン

ターゲット層の行動パターンを把握することも重要です。以下のような患者の意思決定プロセスを理解することで、より効果的なアプローチが可能になります。

• どのような経路で整骨院・接骨院を探すのか
• 何を重視して選ぶのか
• どのようなきっかけで来院を決めるのか

例えば、「腰痛に悩むオフィスワーカーの30代男性」であれば、スマートフォンでの検索が中心になると推測されます。そのため、SEO対策を強化し、検索結果の上位に表示されるようにすることが有効でしょう。

また、口コミサイトでの評価も重視されると考えられるため、既存患者の満足度を高め、積極的な投稿を促すことも効果的です。

自院が誰に向けてどのような価値を提供するのかを明らかにし、その理解に基づいた戦略を立てることが成功への第一歩となります。

市場ニーズに合わせたサービス

ターゲット市場のニーズを的確に把握したら、次はそれに合わせたサービスを提供することが重要です。患者の抱える悩みや期待に応え、満足度の高い施術を提供できるかが、整骨院・接骨院の差別化につながります。

例えば、先述の「腰痛に悩むオフィスワーカーの30代男性」をターゲットとした場合、その典型的なニーズに応えるためには、以下のようなサービスが考えられます。

• オフィスワークに起因する腰痛に特化した施術メニュー
• デスクワークでの姿勢改善や運動指導など再発防止のためのアドバイス
• 施術後のストレッチスペースやラウンジの設置でリラックスできる空間を提供

これらのサービスを提供することで、患者のニーズに直接応えることができます。また、付加価値を付けることで他院との差別化を図ることも可能です。

競合分析

整骨院・接骨院の経営において、競合他院の動向を常に把握し、自院の強みを活かした差別化を図ることは欠かせません。同じ地域で営業する整骨院・接骨院の以下情報をなどを分析しましょう。

• 施術内容
• 価格設定
• プロモーション戦略

自院ならではの独自性を打ち出していくことが求められます。

競合分析を行う際には、まず自院の強みと弱みを明確にすることが重要です。患者アンケートや口コミの分析、スタッフへのヒアリングなどを通じて、自院の特長や改善点を洗い出しましょう。その上で、競合他院と比較し、自院の優位性を明らかにしていきます。

例えば、自院の強みが「豊富な治療メニュー」と「夜間診療の対応」だったとします。競合分析の結果、同地域の他院は標準的な治療メニューのみで、夜間診療にも対応していないことが分かったとします。

この場合、「豊富な治療メニューと夜間診療で、幅広いニーズに対応」というアピールポイントが導き出せます。

新規顧客・リピーター・休眠顧客への対策バランス

整骨院・接骨院のマーケティングにおいて、新規患者の獲得だけでなく、既存患者のリピート率向上や休眠患者の再来院促進にも注力することが重要です。

新規患者の獲得に偏りすぎると、既存患者の満足度が下がる恐れがあります。逆に、既存患者対応に注力しすぎると、新規患者の獲得がおろそかになりかねません。

それぞれの対策に適切なリソースを割り当て、PDCAサイクルを回しながら、常に最適化を図ることが求められます。

新規顧客獲得

まず、新規患者の獲得については、ターゲット市場の特定と、それに合わせたプロモーション活動が鍵となります。WebサイトやSNSでの情報発信、地域イベントでの露出など、自院の強みを効果的にアピールすることが重要です。

また、初回の施術体験を良いものにすることで、リピーターへの移行率を高めることも可能です。

リピーター獲得

次に、既存患者のリピート率向上については、満足度の高い施術提供とコミュニケーションが欠かせません。施術の質はもちろん、スタッフの対応や院内環境など、患者の満足度に影響を与えるあらゆる要素に気を配ることが重要です。

また、定期的なメールニュースの配信や、お祝いの品の贈呈など、患者との継続的な関係性づくりも効果的です。

休眠患者の再来院

休眠患者の再来院促進は、なおざりにされがちですが、見過ごせない重要な対策です。

まずは、休眠の理由を分析することが重要です。もしかすると以下のような理由があったのかもしれません。

• 施術に不満があった
• 症状が改善した
• ライフスタイルの変化があった

分析の上で、個々の理由に合わせたアプローチを行います。例えば、症状が改善した患者には、定期的なメンテナンスの重要性を伝えることで、再来院を促すことができるかもしれません。

オンライン広告とオフライン広告のバランス

整骨院・接骨院のプロモーションにおいて、オンライン広告とオフライン広告の両方を効果的に活用し、バランスの取れた戦略を展開することが重要です。それぞれの特性を理解し、自院のターゲット層に合わせて最適な手法を選択することが求められます。

オンライン広告

オンライン広告の大きな利点は以下2つです。

1. ターゲティングの精度の高さ
2. 効果測定の容易さ

GoogleやSNS上での広告では、年齢や地域、興味関心などを基に、自院のターゲット層に絞った配信が可能です。

また、クリック率や来院率など、広告の効果を詳細に計測できるため、PDCAサイクルを回しながら、継続的に改善を図ることができます。

若年層をターゲットにする場合は、オンライン広告を中心に展開することが効果的でしょう。

オフライン広告

以下のようなオフライン広告の強みは、地域に密着したアプローチが可能な点です。

• ポスティングチラシや地域情報誌への掲載
• イベントの開催
• スポンサー活動

自院の立地する地域に特化した広告展開が可能です。また、地域コミュニティとの直接的なつながりを作ることもできます。

高齢者層にアプローチする場合は、オフライン広告の比重を高める必要があるかもしれません。

オンラインとオフラインの相乗効果を生み出すことも重要です。例えば、オフラインイベントの告知をSNS上で行い、参加者を増やすことができます。逆に、オンライン広告で来院した患者に、地域イベントへの参加を促すこともできるでしょう。

整骨院・接骨院でのデジタルマーケティングの組み込み方

整骨院・接骨院においても、デジタルマーケティングの手法を効果的に取り入れることが重要です。ここでは、それぞれの具体的な活用法について詳しく解説します。

ソーシャルメディアを通じた患者との関係構築

整骨院・接骨院にとって、ソーシャルメディアは患者との関係構築に欠かせないツールです。FacebookやTwitter、Instagramなど、自院のターゲット層が利用するSNSを選択し、継続的に情報を発信することが重要です。

SNSでは、以下のような臨場感のある情報、患者の関心の高い情報を発信することが重要です。

• 治療の様子
• 院内の雰囲気
• 自院の特徴的な治療法
• 症状別のセルフケア方法

SNSを活用する上で重要なのは、一方的な情報発信に終わらないことです。患者からのコメントや質問には、丁寧かつ迅速に対応することが求められます。

また、ネガティブな口コミへの対応も慎重に行う必要があります。批判的な意見にも真摯に耳を傾け、建設的な対話を心がけることが重要です。

SEO

整骨院・接骨院にとって、SEO（検索エンジン最適化）は非常に重要なデジタルマーケティングの要素です。潜在患者が検索エンジンを通じて自院のホームページを見つけやすくすることで、新規患者の獲得につなげることができます。

接骨院・整骨院SEO成功の秘訣は？上位表示へ導く実戦力向上ガイド

コンテンツマーケティング

整骨院・接骨院にとって、コンテンツマーケティングは以下の両面で非常に重要な戦略です。

• 患者との信頼関係構築
• 検索エンジン対策

自院の専門性を活かした価値ある情報を発信することで、潜在患者の関心を引き、自院への信頼を高めることができます。

コンテンツマーケティングで重要なのは、患者の抱える悩みや疑問に寄り添った情報を提供することです。例えば、以下についてわかりやすく解説する記事を作成します。

• 腰痛の原因、予防法
• スポーツ障害の治療法

その際、自院の治療方針や特徴的な治療法も自然に盛り込むことで、自院の専門性をアピールすることができます。

MEO

MEO（Map Engine Optimization）は、Googleマップでの検索結果で自院を上位に表示させるための施策です。地域の潜在患者が、整骨院・接骨院を探す際に Googleマップを利用するケースが増えている中、MEOは非常に重要な要素となっています。

接骨院・整骨院MEO対策完全ガイド！地域で選ばれるための戦略は？

オンライン広告

オンライン広告は、整骨院・接骨院の新規患者獲得に非常に効果的な手法です。特に、GoogleのディスプレイネットワークやFacebookの広告は、ターゲット層に絞った配信が可能で、費用対効果の高い集患が期待できます。

オンライン広告を活用する上で重要なのは、自院の強みを明確に伝えることです。「スポーツ障害に特化」「最新の機器を導入」など、他院との差別化ポイントを前面に打ち出すことで、潜在患者の関心を引くことができます。

また、広告の見出しやテキストには、患者の悩みや痛みに共感するフレーズを盛り込むことも効果的です。

整骨院・接骨院でのペルソナマーケティングとは？

ペルソナマーケティングとは、理想的な顧客像（ペルソナ）を具体的に設定し、そのペルソナに向けたマーケティング施策を展開する手法です。整骨院・接骨院においても、ペルソナマーケティングを取り入れることで、患者一人ひとりのニーズに寄り添った、きめ細やかなアプローチが可能になります。

理想の患者像（ペルソナ）の作成

ペルソナ作成は、ペルソナマーケティングの基礎となる非常に重要なプロセスです。ペルソナは、単なる統計的な顧客像ではなく、実在する人物のように具体的に設定することが大切です。以下は、ペルソナ作成の主要なポイントです。

1. 基本属性の設定	基本的な属性を設定します。 年齢 性別 職業 家族構成 居住地域できるだけ具体的に設定することが重要です。
2. 悩みや課題の設定	悩みを中心に、ペルソナの抱える問題を具体的に想定します。
3. ライフスタイルや価値観の設定	以下を設定します。 日常的な生活習慣 ライフスタイル 大切にしている価値観ペルソナの行動パターンや意思決定の基準を理解することができます。
4. 情報収集行動の設定	以下のような情報収集行動を明確にすることで、効果的なアプローチ方法が見えてきます。 SNSの利用状況 よく閲覧するWebサイト 口コミの影響度
5. ストーリーの設定	日常生活や、整骨院・接骨院を訪れるに至った経緯など、具体的なストーリーを想像することで、よりリアリティのあるペルソナを作成することができます。

ペルソナ作成の際は、自院の患者データや、スタッフの経験に基づく患者像を参考にすることが効果的です。

ペルソナに合わせたメッセージ

ペルソナの悩みや関心事に寄り添い、共感を得られるようなメッセージを発信することが、ペルソナマーケティングの核心だと言えます。ペルソナの抱える問題に正面から向き合ったメッセージを打ち出すことで、共感を得ることができます。

ペルソナの悩みや課題に直結する以下のような具体的なメッセージを発信することが大切です。

• デスクワークによる腰痛でお悩みの皆様へ
• 育児中の女性の慢性的な肩こりを解消するには
• 日常生活に運動を取り入れるコツ
• 健康的な食事のレシピ

ペルソナに合わせたチャネル

ペルソナの情報収集行動に合わせた、適切なチャネルでのコミュニケーションも重要です。例えば、若年層のペルソナであれば、SNSでの情報発信や広告が効果的でしょう。一方、シニア層のペルソナには、地域の広報誌やダイレクトメールなど、オフラインでのアプローチも必要になります。

また、一貫性のあるコミュニケーションも重要なポイントです。ホームページ、SNS、広告、メールマガジンなど、あらゆるチャネルで、ペルソナに向けた統一感のあるメッセージを発信することが求められます。

整骨院・接骨院での地域密着型マーケティング戦略

整骨院・接骨院は、地域に根差したビジネスであり、地域コミュニティとの関係性が非常に重要です。

自院の存在を地域住民に広く知ってもらい、信頼関係を構築することが、長期的な患者獲得につながります。地域コミュニティでの認知度向上のための具体的な施策を紹介します。

施策	内容
地域イベントへの参加・協賛	お祭りや運動会、健康フェアなど、地域で開催されるイベントに積極的に参加・協賛する
健康セミナーの開催	腰痛予防や姿勢改善など、地域住民の関心の高いテーマで、分かりやすく実践的なセミナーを企画
地域メディアへの情報提供	地域の新聞や雑誌、ラジオなどのメディアに、自院の情報を積極的に提供する
地域団体との連携	自治会や老人会、スポーツクラブなど、地域の各種団体の会合に講師として参加したり、団体の健康イベントに協力したりする

まとめ

整骨院・接骨院の経営において、マーケティングは欠かせない要素です。従来の集客手法に加え、デジタルマーケティングやペルソナマーケティング、地域密着型マーケティングなど、新しいアプローチを取り入れることで、より効果的な患者獲得と維持が可能になります。

しかし、マーケティング戦略の見直しや新しい手法の導入には、様々な課題やハードルがあるかもしれません。「何から始めればよいのか」「自院に合った方法が分からない」といった不安を感じる方も多いでしょう。

そのような時は、ぜひ弊社にお問い合わせください。整骨院・接骨院のマーケティングに関する豊富な知識と経験を持つコンサルタントとして、皆様の経営をサポートさせていただきます。

マーケティング戦略の立案から、デジタルマーケティングの実践、スタッフ教育まで、幅広い分野でご相談を承ります。お困りのことがあれば、いつでもお気軽にお問い合わせください。

接骨院コンサルティングについてのお問合せはこちらから

大変お忙しい中、こちらのページにまで辿り着いて頂き、本当にありがとうございます！

接骨院の先生方におかれましては、基本的に営業時間外での対応になるかと存じております。それに合わせて、弊社でも出来る限り融通の利く体制を整えておりますので、是非お気軽にお問い合わせください。

お手数ではございますが、下記フォームよりお願いいたします。

接骨院・整骨院のマーケティングでのよくある質問

整骨院・接骨院の経営において、マーケティングと集客の違いは？

整骨院・接骨院でデジタルマーケティングに取り組みたいと思っていますが、具体的にどのような方法がありますか？

整骨院・接骨院のペルソナマーケティングを実践する上で、最も重要なポイントは？